いつも巡回しているブログは二つだけ。そのうちの一つのブログは、飼いねこについてのブログ。
ともだちのねこくんが行方不明になってから偶然にたどり着いたブログ。ねこくんに非常に似ていたので気になってしまい、巡回するようになってしまった。もちろん似ているだけでねこくんではない。
このブログは2週間に1度くらいの頻度で更新される。このブログのねこたち(2匹)を見ていると幸せそうでホッとする。若干さびしい気持ちもある。
このブログ、基本はねこの写真がメインで、飼い主は手や足だけが写っていることもある。だが最近更新されたブログを閲覧していると、飼い主の背中に乗ったねこちゃんが写っていた。飼い主の顔はモザイクが掛っている。これ自体は問題ないんだけど……なんだか可笑しくて、可笑しくて、笑ってしまった。
プライバシーの関係でモザイクを掛けているわけだが、背中に乗ったねこちゃんはいたって平然としている。飼い主は薄いTシャツ。絶対に爪を立てられているわけでモザイクを掛けた顔は表情が読めないが、おそらく顔を歪ませて痛みを堪えているはずである。顔を歪ませながら鏡越しにカメラを向けている。なんという親馬鹿っぷり。
背中に乗ってくるというのは信頼している証拠だし飼い主はそこはかとなく嬉しいはずであるが、その代償として爪を立てられるという痛みがある。痛みを超える喜びということになるのか。ということはモザイクの向こうでは苦痛に顔を歪ませつつ、妙に幸せな表情になっていると想像できる。
こうなると主従関係が微妙に変化していることがうかがえる。ねこは元来から気ままな生き物でわりかし自由な振る舞いが普通。
これをネタにしてみる。あくまでもネタです。冗談です。“銀河ヒッチハイクガイド”のネタも混ぜました。怒らないでね。
「とある報告書」
この星にはぼくらに非常に似ているねこという生物がいます。彼らが最上位生物だと思ってコンタクトを取ろうとしましたが、知性が低いことが分かりました。この星の最上位生物は、人間という生物です。一年間人間を観察をした報告書の下書きです。
はじめは人間が怖い生き物に思えました。実際、怖い生き物です。
ねこや犬を捕まえて、飼い主が見つからない場合殺してしまいます。ただし、これはそういう仕事があるからです。仕事だから仕方がないというのは言い訳にしか思えませんが。
それと車という危険な機械を走らせるのも人間です。ねこや犬をひいてしまっても大抵の人間はその場を立ち去るだけです。死体を回収する仕事もあります。
その一方で公園などにいる飼い主のいないねこや犬に餌を与える人間もいます。また、ねこや犬の去勢をする人間もいます。お金は人間が払っているようです。ねこや犬が増えて困るからという人間のエゴでしかないような気もします。人間が増えすぎているので人間も去勢したほうがいいような気もします。
ぼくらに似たねこはすべてぼくらの星に連れて行った方がいいのかもしれません。この場合去勢は必要かもしれません。または、ねこが住める星をみつけることが賢明かもしれません。
ここで不思議なことがあります。人間を好きなねこもいることです。彼らの脳波を調べると人間が好きな個体もいます。長い歴史の中で遺伝子に刻み込まれているようです。
人間は何かを計算をしているようです。何を計算しているのか知らないようですが。どうやら地球はネズミが作った電卓らしいです。人間は電卓の歯車でしかないようです。そんな、人間からねこを奪うのはかわいそうな気がします。
歯車である人間から一年間食事を与えられたいたぼくは、人間を怖く思いながら少し好きです。人間に撫ぜられると喉がゴロゴロいってしまいます。ねこが好きな人間もいることがなんとなく分かりました。
最後にこの星の最上位生物は人間だと冒頭に書きましたが、どうやら事情が違いました。確かに知性が最も高いのは人間ですが、最上位の支配階級生物はねこでした。
人間は、ねこに食事を差し出したり、居住空間を提供してはいますがねこたちからお金は支払われていません。犬も同様ですが、犬は人間に従属している可能性が高いです。ねこは比較的自由に生きています。人間の要求はほとんど聞き入れません。
人間たちは自分たちが最上位支配生物であると思い込んでいる節があるため、多々の矛盾した行動をしてはいますが、遺伝子情報の奥深くにねこを畏怖する情報が埋もれています。知性を発達させる過程でその情報を埋めてしまっています。このことから人間とねこの関係に混乱が生じているようです。人間が知性を発達させてしまったのは、ねこに従属している都合上避けられない道筋だったと思われます。さらに知性を発達させればこの関係を自ら読み解くことができると予想されます。
知性と支配体系に複雑な関係があることが今回の観察で浮かび上がりました。非常に興味深い関係であると思います。今後もさらに観察をする必要があると思われます。
また、実質上の支配階級にあるねこという生物は、遺伝子的に我々に非常に近いと分かりました。これにはとても驚いています。我々の過去には謎が多いですが、今回の発見でより謎が深まりました。これをひも解くためにもこの星をさらに観察研究する必要があります。
今日はこの星から去る日です。いつも食事を与えてくれた人間に挨拶をしてきました。少し寂しいけど仕方がないです。仕事なので。
明日も食事の用意をしてくれるんでしょね。またいつか地球に行きたいです。恥ずかしながら人間に撫ぜられると今まで経験したことのないある種の快楽を得ることができるからです。これも非常に不思議なことです。
おわり
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