2012年3月20日火曜日

グーチョキパンチョ







 チペワのエンジニアブーツを入手してからというものブーツに興味津々なわけであります。
 仕事柄エンジニアブーツを履いていても問題ないので、キャタピラーのエンジニアブーツを履きだしました。チペワとの違いはロングなのにすごく軽く、ワイズがEということもあって甲の痛みは皆無なわけです。まったくストレスを感じないエンジニアブーツだったりします。
 入手して直後にピュアホースオイルを薄く塗りこんで、防水スプレーを吹いたのですが、水が掛ると普通に染み込んでしまいます。ということで、革を縫う蝋引き(蜜蝋)とピュアホースオイルを湯銭して混ぜた靴クリームを自作しました。蜜蝋を多めにしてしまったため若干硬めですが、効果絶大でした。








 前振りはこれぐらいにして、本題に入ります。普段履きでもう一足ブーツが欲しくて仕方なくなり、いろいろ物色していました。今回は編み上げタイプに絞って検索、検索。ホワイツやウエスコがカッコいいなあ。お値段がお高い……わたしには高嶺の花です。買えない値段ではないけれど、もう少し庶民価格でそれでいて造りがしっかりしていて、レッドウイングでもなくチペワでもないメーカーってないかしら。
 探せばみつかるもので、シエテ・レグアスのサイレントウォーカーが目に留まりました。メキシコ製。自社持ちのタンナーで鞣した革で造られているということです。定価は3万円前後。amazonで2万円前後。オークションでも2万円前後でしょうか。amazonではセール時で1万円前後で入手できることもあったようです。サイズが24,5cm未満であれば一万円以下で入手可能(2/29現在。amazon)。
 わたしはオークションで1万6千円(新品・送料込)で入手しました。オークションの検索は“siete leguas”です。“シエテ レグアス”で検索すると安い方は出てきません。とはいっても日本ではメジャーなメーカーではないようで、出品は少ないですね。

 わたしが入手したのは、6アイレット3フックの“5210 サイレントウォーカー”です。ソールはビブラムのクレイプソール。ソールはミニビブラムよりクレイプソールの方が断然カッコいい気がします。

 インプレッション的なもの。とはいえ比較対象はチペワのエンジニアブーツだけになりますので、適当に読み飛ばしてください。わたしの足は24cmで幅広甲高でスニーカーは26cmがジャストサイズです。 チペワは8,5Dでした。インソールはレッドウイングのレッドベッド。履きなれるまでは甲が痛かったです。現在は鈍い痛み程度。ワイズがEだったら問題なかったのかな? と、今にして思う。
 シエテ・レグアスは8Eをチョイス。インソールは不要です。サイズはバッチリ。重さはチペワよりも軽い。革質はチペワとは違う。チペワはピュアホースオイルでしんなり柔らかになったが、シエテ・レグアスは革が厚くて乾いていて硬いです。ピュアホースオイルを入れてもほとんど変化がありません。もっとも甲の痛みが無いのでムキになって柔らかくする必要もないので、そんなにオイルは入れません。じっくり育ててゆこうかと思っています。
 脱ぎ履きはチペワの方が圧倒的に楽です。20秒もあれば余裕です。シエテ・レグアスはもう少し時間が掛りますが困難というほどではありません。
 靴の大きさはシエテ・レグアスの方が大きく、アイアンハートのブーツカットではヒールが隠れません。アイアンハートのフレアーカットが欲しいところ。
 クレイプソールということもあって、履き心地は良いです。インソールが標準で入っておりサイズ的に遊びがなければインソールは追加する必要は無いような気がします。

 もう少し補足やらあれこれをば。サイレントウォーカーはワークブーツのカテゴリーになります。トゥにスチールが入っているようです。知り合いのスカイラインの後輪タイヤに轢かれましたが、ヘッチャラでした。ワークブーツでは軽量のような気がします。とはいえスニーカーほど軽くはありません。
 脱ぎ履きが若干面倒です。紐を解いて脱いだり履いたりすること前提です。が、面倒臭がりなわたしは少々工夫しました。まず、付属の靴紐だと若干短いので、靴紐を変更しました。靴紐はパラコードに変更。以前にロールで入手したので紐には困らんのです。1mで約33円とういのもコストパフォーマンスに優れているし、強度面でも靴紐には十二分なのであります。
 それと、パラコードはなんというかサラサラしていて結びが緩みやすいのですが、結び目になるあたりを蝋引きするとカチっと結べます。
 それで、靴紐(パラコード)をやや緩めに結びます(靴の中で足が遊ばない程度)。こうすると脱ぐのはだいぶ楽です(約10秒)。ですが、履くのはやはり靴ベラが必要な感じです。ただし靴ベラを使うと履きやすいようでいて実際は履きずらいんですな。靴ベラが抜けなくなるんです。かといってもっと紐を緩めにすると今度は靴の中で足が遊ぶのです。そういった時にフィンガープルループがあるのです。ですが、わたしの指は太すぎてフィンガープルループが利用できないんですよ。








 ということで、フィンガープルループを使用するための自分専用の道具を自作しました。あ、わたし仕様の道具なので完全に余談になるな。ま、いいか。
 素材はステンレスです。円になっているステンレスの部分は近くのホームセンターで入手。フィンガープルループを掛ける鉤状にステンレスの丸棒を曲げただけ。持ち運びに困らない程度には小さくしたつもり。自作した道具を使用すると約40秒で履くことが出来ました。靴ベラを使用するより幾分かマシになった。履きこむともうちょっと早く履けるような感じ。コツとしてはフィンガープルループを引っ張りつつ、足を尺取虫のようにもぞもぞさせると履きやすい。ま、横着しないで靴紐を解けばよいだけの話なのですが、ね。
 自作して使い勝手もそこそこなので満足していたが、ふと気付いたんですよ。S字のフックで事足りたんじゃないかってね。この手のS字フックを大量に使用していたのに……灯台下暗しとはまさにこういうことなんじゃないのかな。


 入手前にシエテ・レグアスについて調べると、“パンチョ”の愛馬に由来するとありました。1955年創業。で“メキシコの英雄パンチョ”について調べると、豪傑な人物だったようでありますな。アメリカさんとも揉めたようですし。最期は凶弾によりお亡くなりになられた。
 Wikiの抜粋では“ビリャはメキシコの大衆から英雄として扱われたが、メキシコ革命正史上では無視され続けた。彼が議会で正式に革命の功労者とされたのは死後43年経った1967年のことであった”とあります。
 シエテ・レグアスの創業が1955年ですから、メキシコ革命正史上では無視されていたが、メキシコの大衆から英雄として扱われていたというのは本当のようですね。ひょっとしたらメキシコではシエテ・レグアスのブーツをパンチョブーツと呼んでいたりして。








 そんなこんなでパンチョブーツとチペワを交互に履いているわけですが、先日、パンチョブーツを履いて本屋に行きました。“都市と都市”を買いにいったのです。しかしお目当ての本は無く、なにか面白そうな小説がないかしらと物色していると、“パンチョ”という文字が目の隅に入ったわけです。“パンチョ・ビリャの罠”。パンチョブーツを履いて“パンチョ・ビリャの罠”を偶然に発見したわけです。出会いは突然訪れるものです。そうそうあることではありません。ビリャの愛馬(シエテレグアス)が出会わせてくれたに違いありません。

 そういうわけで、“パンチョ・ビリャの罠”を読みました。パンチョさんは物語の冒頭から登場しますです。はい。メキシコの酒場のテーブルに、首チョンパされたパンチョさんがドンと置かれるのであります。ミイラで、ヒゲつきで。割とカラっとしております。ホラーテイストありません。ここから物語がスピーディーに動き始めます。人がどんどん死にます。割とあっさり死にます。スプラッターテイストありません。ミイラの首がどんどん増えます。一つから三つに。二つ減って、四つ追加して五つになりました。みたいな。簡単にいうと、パンチョの首をめぐる争奪戦です。パンチョさんを知るには程よいエンタメではあったかな。
 装丁とタイトルは正直にいうと、あまり心惹かれる感じはないかな。シエテ・レグアス経由でパンチョ・ビリャを調べていなかっら間違いなくスルーしていたと思う。






 ブーツネタはもういいかな。欲しいブーツはあるのですが、当面は三足で事足りるのでね。そうするとブログを更新するネタはしばらく無いかな。ま、面白い小説でも見つかればいいのだけれど。

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