2017年4月1日土曜日

飼い猫の大脱走

 先日の“個人的な事件”を時系列を追って書き記しておこうと思う。
 先に書いておくが、猫が逃げただけである。であるが、個人的には事件なことなのである。

 いつものように、仕事帰りにスーパーに買い出しに行き、アパートに帰宅した。いつものように、玄関の扉を開けると、飼い猫のキーノ(WEBネーム)が出てきて、玄関の外でいつものように、ごろんごろんとしている。いつものように、スーパーの買い物袋を玄関の中に入れ、いつものように、キーノを抱き上げ室内に入ろうとしたら……キーノが走って逃げた。極まれにあることで、これも容易にキーノを捕まえることができるだろうと思っていた。
 だが、今回は様子が違った。普段聞いたことのないような荒ぶる鳴き声で逃げる、逃げる。

 ようやく抱きかかえるように捕まえて(首根っこよりやや下を左手で押さえていた。右手は貌を覆うようにしていた)、玄関を右手で開けた瞬間にキーノが物凄く暴れた。右手で暴れを抑えようとしたが、思いっきり噛まれた。痛みに耐え、とりあえずキーノを部屋に放り投げた。
 捕獲劇は事なきを得たが、わたしの右手は深く負傷した。左手も軽く負傷した。血がぽたぽたと落ちるほどなのでかなりの深手である。右手はみるみるうちに腫れ上がり痛みに悶えた。「痛え、痛え~」と2時間は声に出しながら痛みに悶えた。
 怪我には慣れていたし、痛みにも強いつもりでいたが、今回ばかりはこたえた。心底痛かった。まあ、手当も一切しなかったのだけれども。
 怪我もこたえたけれども精神的にこたえた。生後2ヵ月で保護して5年も仲良くしていた、ある意味相棒にやられたことにこたえた。互いの信頼関係が吹き飛んだ。
 なにが悪いってそれはわたしのミスだ。玄関から外に出ることを許していたミスである。こういったことが想定されていたにも関わらずの甘い判断だった。代償は痛みだけだ。あそこで捕まえ損なっていたらより後悔したであろうから幸いであった。

 痛手を負った翌日には対策をした。1m×2と1.5m×2の単管と直交クランプ×4で枠を組み、プラスチックの網を結束バンド(インシュロック)で固定させた塀を玄関内に設置した。出入りは少々難儀であるが、キーノのためでもあるし、わたしのためでもある。

 この事件から1週間が過ぎ、ようやく右手の傷も治りはじめている。キーノとの関係も戻りつつある。ただし完全に以前の状態に戻るということはないと思われる。もう一度あらたな関係を焦らずに築くつもりでいる。


5年前の仔猫

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