2009年5月29日金曜日

とある検証(たいしたものではない) ~完結編~










 一ヶ月以上まえの続きになります。ようやく検証しました。それにしても唐突すぎますよね。そこで、ここまでの流れを整理します。
 下準備下準備2とある検証(たいしたものではない) 今回は、この一連の完結になります。ご興味がありましたら読んでみてください。

それでは本題に戻ります。

・SCPH-130と接続するゲーム機は、PSone(念のための確認)。FC(RGB化),SFC,N64(RGB化),GC(RGB21PIN改造ケーブル),SS,DC。すでに確認しているものもありますが、再検証します。

まずは上記のゲーム機での動作確認および画質(私感。kokeの視力は1,5)です。






 検証結果は上の表のとおりです。PSone,FC(RGB化),SFC,SSでは実用に耐えうるレベルだと思われます。
 N64(RGB化)は微妙な感じです(〇と△の中間です)。
 しかし、GC(RGB21PIN改造ケーブル),DC(カラット社製RGB21PINケーブル)では……薄暗いシーンでは黒潰れが酷く非常にみずらい。実用できるレベルとは言い難い。綺麗に映し出されるだろうと予想していただけに意外な結果だった。
 SCPH-130は、PSoneの周辺機器であり、PSone以外との接続は想定も動作の保証も当然のことながらありません。GC,DCとSCPH-130は、相性がよくないです(OSD MODEで画質を調整すれば少しは改善できます)。

 続いて行う検証は下記のとおりです。
・DVDプレイヤーの接続は、コンポーネントY,Cb,Cr(480i)をR,G,B,CSYNC(480i)にトランスコードして行います。トランスコーダーとして日本VISCOM:KINO101を使用します。

・DVDと同様にGCもKINO101を介して接続します。GCからKINO101までのケーブルは純正D端子ケーブルと、D端子延長変換コンポーネントケーブルを使用します。

・KINO101を介してDVD,GCをSCPH-130に接続するケーブルは、以前自作した
自作RGB21PINケーブル(写真:4)BNC-RGB21PINケーブルの2種類を使用します。

・DVD,GCについてはKINO101を介して接続する方法と、KINO101から分配器(IMAGENICS:WBD-133)を経由した接続方法の2通りを実験してみます。

 まずはケーブルについてです。
 自作RGB21PINケーブル(写真:4)BNC-RGB21PINケーブルのどちらのケーブルでも写し出されますし、画質の差はないようです(画質の詳細は後述します)。

 続いて分配器についてです。
 分配器はおまけ的な実験ですが、こちらも問題ありませんでした。欲をいえば分配器ではなくスイッチャーにしておけば、コンポーネントセレクターに転用できたのに。失敗したなあ。

 画質についてです。
 DVDプレーヤーで再生させた映画はどうだろうか? 洋画は特に薄暗いシーンが多いので。
 結果はまったく問題ないレベルといって差し支えないでしょう。
 GCですが、あまり期待していませんでしたが、KINO101を経由して映し出された画は、実用するには十分なものでした。薄暗いシーンでも黒潰れはありません。トランスコーダー+ビデオイコライザーであるKINO101の面目躍如といった結果になりました。ちなみにコンポーネントもしくはS端子で入力されたアナログ信号をデジタルに変換せずにアナログのままトランスコードするため映像信号の劣化は少ないという記述が説明書にありました。

 下の写真は、GC(ソース:ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス)での比較画面になります。










・GC用RGB21PIN改造ケーブル使用時(画面:左側)
・KINO101使用時(画面:右側)
 SCPH-130の“OSD MODE”で画質の調整をいくら行っても、KINO101を経由させた画には遠くおよびません。

 さて、それでは、今回まで引っ張ってきたネタのまとめに入ろうと思います。
 PSoneをWEGA(AVマルチ端子付き)に接続する場合、マニアックな方は、AVマルチケーブル(VMC-AVM250)を使用したりします。AVマルチケーブルはSONY独自規格ですが、RGB21PINケーブルを見直したものといっていいと思います。省かれた機能などは、RGB各ラインの電解コンデンサー、AVコントロール(+5V)、YS,YM信号、です。色差対応などの機能拡張(PS2,3での使用時)もされています(今回の話は機能拡張部分は関係ありません)。
 これを踏まえて、PSoneとSCPH-130の関係(接続方法)を考えてもらうと分かりやすいのですが、PSoneとSCPH-130はAVマルチケーブルを使用せず、機器同士を直接ドッキングさせる方式になります。PSone側はAVマルチ出力端子(メス)、SCPH-130側はAVマルチ入力端子(オス)。ということは、AVマルチケーブルは使用していないもののAVマルチケーブルの規格に従っていると想定されます。とするなら、RGB各ラインの電解コンデンサー、AVコントロール(+5V)、YS,YM信号は、受け手であるSCPH-130には一切不要ではないかということになるわけで、検証のための下準備で製作した(BNC-RGB21PINケーブル)でも問題ないはずだという推論に達したわけです。
 ゲーム機だけを接続する場合にはこういったことは頭に浮かばなかったのですが、トランスコーダー(KINO101)を変則的に使用しようと考えていたら実験をしてみたくなりました。
 KX29-HV3でもBNC-RGB21PINケーブルを使用して、問題なさそう(これはモニターのマージンにすがっていると思う)なので、論より証拠ということで試してみました。
 RGB各ラインの電解コンデンサー、YS,YM信号は不要だろうと素人ながら確信していました。AVコントロール信号(+5V)だけは、ひょっとすると必要かもしれないと思っていましたが、問題なく画が映しだされました。

 DC→カラット社製RGB21PINケーブル→SCPH-130の実験では実用レベルではありません。残念なことにDCからは、コンポーネント(D1)が出力できませんので、KINO101を経由させるとしてもS端子ケーブルが最上の選択(もちろんこれは、PSone液晶を利用する場合です)になります。
DC用S端子ケーブルが手元にないため実際にはどうなるか判りません。DC用にAVマルチアダプターを自作しようかとも思いましたが、面倒そうなので今回は見送りです。
 微妙な感じだったN64(RGB化)は、DCと同様にコンポーネント(D1)が出力できませんので、KINO101を経由させる場合は、S端子での接続が最上の選択なりますが、結果は良好でした(KINO101などのトランスコーダーを使用しなくとも、OSD MODEで画質を調整すれば、そこそこの画にはなります)。
 コンポーネントからRGB(21PIN)にトランスコードするのは妥協できるますが、S端子からRGB(21PIN)にトランスコードするのは、個人的には妥協しがたい。と、思っていますが、RGB(21PIN)を使用してなおかつベストな画を出すというスキルがありませんので、SCPH-130を使用する場合に限り妥協せざるを得ないかなあ。
 上記のことから、正式にRGB21PIN接続をサポートしていないゲーム機とSCPH-130は相性が良くなのではないかと思われます。どうしてもそういったゲーム機とSCPH-130を接続させたいと思われる方は、KINO101などのイコライザー機能のあるトランスコーダーを利用するのが無難でしょう。
 
 ということで“とある検証(たいしたものではない)”は今回をもって終了します。

 もしかすると“とある検証(たいしたものではない)”をお付き合いしていただいた方がいるかもしれません。何か収穫はありましたでしょうか? この検証過程で偶然に、PSone液晶モニター(SCPH-130)の画質調整に入れる裏コマンドを発見(外国の方がだいぶ前にOSD MODEを発見されているようです)したのが、個人的には収穫といえば収穫でした。
 それとこのブログ全般についてですが、まったく信用には値しません。いい加減で適当です。

 今回の検証作業でのこぼれ話をひとつ。
 基本動作を確認するために、PSoneを検証しようとしたのですが……想定外の事態に直面して、わたしの頭の中で「?」が満開でした。しばらくすると「!」が乱舞しました。
 その訳はですね、PSone(ゲーム機)とSCPH-130(液晶モニター)は、ドッキングして使用する前提のゲーム機器なのですが、SCPH-130を汎用化にともない独立させましたので、電源(ACアダプター)が個別に必要になっていたのを検証の段階でようやっと気づくという大失態を演じてしまいましたとさ。ここは笑うところですよ!? 笑ってやってください。
 アダプターを入手しようかと思いましたが、DC中継ケーブルを自作してみることにしました。プラグはEIAJ3という規格です。下の写真が自作したDC中継ケーブルです。冒頭にある検証写真ではとりあえず汎用DC電源を使用しています。









 これでゲーム機関連のネタが尽きましたので(書こうと思えばいくらでも焼き直し的なネタはあるのですが)、さすがに時代に乗り遅れすぎだろうということで(ゲームもプレイしませんし)、この辺りでゲーム機ネタは幕引きとします。

追記:幕引きといいつつ幕引いていなかったんです。あははは……
※関連するブログ内リンク
これでN64も、GC(RGB化)も、DCもSCPH130にバッチリ映るんです。OSDでの画質微調整とあわせれば完璧です。
同期分離(LM1881)
RGBアンプ(NJM2267)

SONY製LMD-9050でドラクエ7をRGB接続で遊ぶためのドラクエ7より楽しい電子工作


2009年5月23日土曜日

迂闊に質問するとネタにしちゃうよ

 先日、オークションに出品していたら質問があった。どんな質問なのかなと確認してみると、質問ではなく、出品物の感想が一言だけ書いてあった。
 当初は嫌がらせか、馬鹿にしているのかとも思ったが、新規IDでもなく、二桁の「非常に良い」という評価の方でもあるし、思ったことをただ一言書いただけという印象なのだ。
 返答するにしても「ありがとうございます」と、書くぐらいのもので、こういった質問でないコメントに返答していたら切りがなさそうなので、申し訳ないが返答することは止めました。
 とりあえず質問者のプロフィールだけは確認してみました。二十代の男性で、誕生日から住んでいる地域、好きなものまで記入してありました。まあこれは本人の自由です。べつだん驚くことではありません。
 友だち一覧に驚きました。顔写真の女性が連ねてありました。一体全体どうなっているのだろう。その一人の女性の顔写真をクリックすると……友だち一覧に数十名の男性と思われる顔写真やらアバターやらが連ねてある。
 どうやらSNSに関連があるようだ。わたしの出品物に一言感想を書いた彼は、SNSに参加していて、その感覚のままブログにコメントするような気軽な感じで一言感想を書いているような気がする。
 なんとなく理由が分かったし、悪意のない無邪気なコメントであろうと思う。だけれども少しだけ迷惑なのも確かです。オークションで、質問ではないコメントは必要ないだろうとも思う。
 本当ならば、「SNS感覚で質問欄にコメントしては皆さんが迷惑されますよ。自重してください」という返答をしたいところではありますが、まあ少しだけ迷惑だけれども、ネタにしちゃいましたし、ギブ&テイクということで。

2009年5月16日土曜日

臭覚によるタイムスリップ

 記憶を呼び覚ます五感について。五感の中の臭覚についてつらつらと書いてみる。
 というのも、ある香りによって過去の記憶が蘇ったのでそれについて書いてみよう。
 爽やかな香りで、柑橘系のような匂いがする。その香りを言葉にしようとすると難しいですね。それはともかく、歩道を歩いていると、数瞬、爽やかな柑橘系の香りがしました。ああこれは、夏の真っ盛り、歳の離れた弟が庭に用意した小さなプールで行水遊びをしていて、わたしも一緒にわいわい遊んでいたときに、漂ってきた香りだなあ。と、記憶が呼び覚まされました。
 これに付随してその頃の記憶が芋づるで思い出されましたが、これは置いておいて、その香りの正体は母親の香水ではなく、わたしの記憶によれば、虫なのです。その虫は非常に小さく1cmくらいで、とても敏捷で、捕まえようとすると飛んで逃げます。逃げたかと思うとまた近くに寄ってきます。どうやら行水で濡れた土に関心があるようです。よく観察しようとしてもこちょこちょ動き回るのでハッキリしませんが、カミキリムシを小さくしたような姿をしている記憶があり、この虫が爽やかな柑橘系の香りを発してました。その時には数匹いた記憶があります。けっきょく捕まえることはできず、一体あの虫の正体はなんなのだろうと長いこと疑問に思っていました。
 虫の正体を突き止めようと検索してみました。これは相当大変ですね。どう検索しても正体が突き止められませんでした。実に悔しい。まったくもって悔しすぎる。
 そのうちに虫の正体を突き止めてやろうと思っていますが、普段はまったく思い出ださない記憶が、記憶の階層を突き抜けて唐突に思い出されるという刺激が臭覚によるものだったというのは、個人的にごく稀なのでブログのネタにしてみました。

2009年5月6日水曜日

超絶妄想に乾杯

「シャングリ・ラ」 妄想者:池上 永一

 この小説は……凄い。読み終わってからamazonのレビューにざっと目を通しましたが、予想通り賛否両論も凄い。
 この小説を誰かに薦めるかと問われたら、即答できる。答えは否。絶対にお薦めしない。
 わたし個人の感想はとても面白かった。
 この小説の分類(ジャンルの規定)が賛否両論を呼んでいる理由なのではないのかと推測される。
 この小説をSFとして読むか、ファンタジーとするか特定のジャンルを想定して読むと肩透かしを喰らう恐れがある。

 わたしは全ての小説をエンターテイメントとして捉えている。その小説がどのジャンル(分類)に属するかというのは重要な情報です。これを踏まえて小説を読み始めます。大部分の小説は特定のジャンルに収まります。
 これに反してジャンル跨ぎというか、ジャンルミックスというか一般的な分類に当てはまらない小説も当然あります。が、「シャングリ・ラ」はそれらを凌駕しています。振れ幅が凄いんです。小説の導入部分は、熱帯雨林と化した東京に巨大建造物アトラス……まさにハードSF的な雰囲気を醸し出しています。この流れでそのまま進むのかと思いきや……少女がブーメラン(カーボン製)で戦車をぶった斬り……アクション漫画的な描写が……
 どうです? これだけでも凄い振れ幅でしょう? これにSF的ギミック満載、オカルト満載、オカマ複数、などなどがてんこ盛りなのです。
 SFとファンタジーのジャンルミックスだけなら許容される方が多くなるような気もしますが、ここまで振れ幅が凄いと読み手を選ぶと言わざるを得ません。ですので、お薦めしません。
 
 この小説を読んでいてジャンル(分類)やその振れ幅が気になって戸惑っていましたが、「長編超伝奇妄想小説」という勝手なジャンルにすることで十分に堪能しました。


SONY製LMD-9050でドラクエ7をRGB接続で遊ぶためのドラクエ7より楽しい電子工作