2008年9月12日金曜日

何か短期的な目標を決めてみよう。SFマガジンのリーダーズストーリーに投稿してみることにする。批評がもらえるぐらいを目標にしてみる。
以前、某掲示板で書いたネタを少し修正して、いくつか公表してみることにする。
「積読塚」
 きみたちがなぜ積読してしまうのか? 微力ながら、わたしがきみたちを導きましょう。
 読みたい本が沢山あるのだろう。しかし、需要と供給のバランスが崩れているのも自覚しているはずだ。
 既読より未読の比率が上がり、日増しに増殖し、ついには本棚に収りきらず床にあふれだし、うず高く積み上げられている部屋の様子が目に浮かぶようだ。
 積読をネットで自慢するに止まらず、呆れたことに崩れにくい積み方を情報交換し、さらに積読で強靭なタワーを築くにあたり、日本古来の宮大工の工法を模倣し、驚くべきことに釘や糊などを一切使用せず、震度9の直下型地震に耐え抜く技法を確立してしまう始末だ。
 本末転倒とは、まさにきみらのことを言うのではなかろうか。
 わたしは、きみたちの外見について推測してみた。色白でぽっちゃりとした体型で、メガネを掛け、おまけに出っ歯ではないかと考察しているのだが、どうかな。外国人が我々日本人を、イエローモンキーと卑称したりするが、とくにきみらの顔は、黄色味をおびてはいまいか?
 ここで断っておくが、きみらを嘲笑したり、ましてや非難や罵倒しているわけではない。むしろ賞賛しようとしているのだ。
 きみらに人類の未来を託したい。これから訪れるであろう核の冬の時代、生き抜くのはきみら新人類なのだから。
 そうなのだ、上記の特徴をもったニュータイプのきみらは、実はセルロースを消化してしまうシロアリ人間なのだ。これでなぜ積読してしまうか分かっていただけたと思う。棲家であり、食料であり、知識である本を収集してしまうのはシロアリ人間の本能に根ざしているのだ。
 忌むべき悪癖であると馬鹿にされ続けたのではあるまいか。しかしきみらは罵倒に負けず、積読をライフワークとして邁進し続けた。己の行動に疑問をいだき、不安を抱え仲間を求めていた姿など、想像するに涙を誘われる。
 しかし、もう何も悩む必要は無くなったであろう。きみらの優れた本能が理性を押えつけ、猛烈に積読を推し進めているのは、間近にその時が迫っている兆しなのであろう。
 わたしは迷えるきみらに、ささやかながらアドバイスできたことを誇りに思う。さあ、気兼ねなく積読タワーを建設してくれたまえ。
 きみらの未来に祝福あれ。

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