2012年1月7日土曜日

漫画好きが『解錠師』を読んだら萌え画になるのだろうか……

去年は一冊も本を読まなかった。まあ、去年はいろいろあったから……
 精神的余裕もなかったし、独り暮らしを始めて、いまだに本は段ボール箱に詰まって重ねて置いてある状態だしね。

 正月休みは本当に暇だった。テレビは観ないと決めたので購入していないし、ゲームもやらないし、アウトドア的な趣味もないし、パチンコとかはかなり昔に止めたし、つまり寝ているぐらいしか暇潰しがない。
 そんなこんなで、久しぶりに本を読んでみるかと思い立ったわけ。段ボール箱を引っ掻きまわせば未読の本がいくらでもあるのだが、面倒くさい。そこで久しぶり本屋に足を運ぶことにした。
 購入したのは、以下の4冊。

・解錠師〔ハヤカワ・ミステリ1854〕(HPB)著者:スティーヴ・ハミルトン 訳者:越前敏弥
・霧が晴れた時(角川ホラー文庫―自選恐怖小説集) 著者:小松左京
・幻夢の時計(タイタス・クロウサーガ) (創元推理文庫) 著者:ブライアン・ラムレイ 訳者:夏来健次
・天獄と地国(ハヤカワ文庫JA)著者:小林泰三

 どれも良い暇潰しになった。ジャンル的に好きなのは、SF。あんまり読まないけどたまに読むのはミステリーかな。純文学とかは読まない。
 それで、今回読んだ中でも面白かったのは解錠師だった。ということで、感想みたいなモノを書いてみる。感想になってないんだけどね。

 解錠師のカタルシスっていうのは言うまでもなく鍵を使わないで解錠することにある。一般人ではなかなか味わえる感覚ではない。これに似た一般人でも味わえるカタルシスを考えてみた。知恵の輪かな。それも難易度が高ければ高いほど得られるカタルシスが大きいというのも似ていると思われる。
 主人公は背徳の技術を修得する。まずは独学で。それからやむにやまれぬ事情により金庫を解錠する訓練を積む。で、プロの解錠師になるわけ。
 それと、主人公は絵を描くのが好きでセンスがあるわけ。主人公はある人とのコミュニケーションに絵を使うことにした。ただの絵ではなく、漫画にすることにした。これもやむにやまれぬ事実があってのこと。彼は幼少にある事件に巻き込まれて、しゃべることが出来なくなってしまったんです。

 ちょっと脱線。わたしは漫画を久しく読んでいない。アニメとかも全く観ない。理由は、小説に比べて想像力が規制されるから。二十歳前後で意識的に断ち切ったもの。漫画的なものやアニメ的なものが嫌いというわけでは無い。現在も意識的に排除している。ごくまれに強烈な欲求に見舞われるが、昔観たり読んだりしたのを記憶から引っ張りだして何とかしのいでいる。つまりやせ我慢している状態。こういう状態を十年以上続けている。良いのか悪いのか分からないが、一度決めてしまって十年以上経つと、この状態を維持することの無意味さも分かるが、ここまでくると意地でも読んだり観たりするつもりがない。
 弊害がないわけではない。たまに困ることもある。例えばこういう一文をツイッターで目にしたとき。“ガンダムの最終回のアムロみたいな気分です(抜粋)”前後の文面でおおよその推測はできるのですが、正確なニュアンスはわたしには伝わってこない。というかアムロって死んだんじゃなかったの? というトンチンカンぶり。まあ、実生活での真の意味での弊害は無い。

 話を戻すと、物語は主人公の刑務所での回想から始まる。回想には二つの時間軸があり、徐々に徐々にこの時間軸が近づいて、最後には主人公が回想を始めた刑務所に戻る。
 主人公は美術的なセンス(漫画も)と、解錠師の技を併せ持つことになる。そして過去の忌まわしい事件によりしゃべることができない。それとバイクを駆る快感を知っている。おまけにちょいイケメン。ひょんなことから少女に出会う。それから少女を救うためにゴーストという人物に背徳の解錠師の訓練を受けることになる。漫画は少女とのコミニケーションとして活用される。プロの解錠師になって少女を救うことができるが、主人公は犯罪の泥沼にはまり込んでしまい……というのが大筋。
 
 わたしは感想を書くのは苦手なので、これじゃまったく伝わらないな。夕方から読み始めて、午前4時45分まで……最後のページまで、暖房無しで台所の換気扇を回しながら、煙草とコーヒーを飲みながら読み切った。面白かった。
 この物語では、漫画というコミニケーションは結構重要な要素だったりする。だから、わたしとは逆に、漫画は読むけど小説は読まないという人にも読んでもらいたいなあと思ったりした。人によって漫画の描写の部分は大きく異なるイメージになるんだろうな、などと想像するとこれまた面白い。漫画家が描いてみたものもみてみたい気もする。いや、絶対に観たり読んだりしないんだけれども。
 漫画は日本の文化だという意見もある。わたしもそう思うこともある。だけれども漫画にしろアニメにしろ蔓延し過ぎのような気がしないでもない。一人ぐらい右へ倣えしない偏屈が居たっていいだろう? だけれども漫画を否定はしない。漫画を我慢しているだけ。絶対に読まん。WEBの4コマ漫画とかぐらいはたまに読むけどな。ごめん嘘ついた。でも基本姿勢は変えたくないと思っている。

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