2012年1月22日日曜日

卵にペーソス?

去年の年末にお客様から卵を20個頂いた。大変ありがたかったが、一人暮らしに卵20個は持て余す。
 そこで、10個だけ頂くことを申し出ると、「せっかく持ってきたのだから食べてくれ」という返答。それはそうだなと思い、どう料理すればいいのか伺うと、あっさり「ゆで卵」という返答。なにやらちょっと古い卵のほうがゆで卵に向いているということらしい。なるほど。
 せっかく頂いた卵なので、早速ゆで卵を作ることにした。10分茹でて、冷水に入れるだけということもお客様から伺っていたのでね。考えたらゆで卵を作ったことがないことに気付いた。
 久しぶりだな、ゆで卵。茹でたてを食べてみた。うまい! といことで毎日4個のゆで卵を食すというのが日課になった。さすがに食べ過ぎのような気がしたので、今は週10個にしている。

 さて、わたしのゆで卵事情は置いておくとして、本屋に良い暇つぶしがないか物色しにいきました。入手したのは下記の2点。
・卵をめぐる祖父の戦争 著者:デイヴィッド・ベニオフ 訳者:田口 俊樹
・ねじまき少女 著者:パオロ・バチガルピ 訳者:田中 一江・金子 浩

 『卵をめぐる祖父の戦争』は面白かった。手に取った理由は、上述の理由により、という実にくだらないものという要因もあるが、説明的なタイトルにほのかな面白味を感じたので。
 内容は、卵をめぐる祖父の戦争です。これ以上に的確な説明はないです。本当に。蛇足として付け足すなら、卵は手段で、目的ではありません。以上。
 訳者あとがきで、“本書の読みどころは言うまでもない。笑いとペーソスだ(抜粋)”と書かれている。まさにそのとおり。笑いとペーソスなのである。笑いとペーソス? なのである。ペーソスって何? なにはともあれ、笑いとペーソスなのである。読めばわかる。ペーソスがぺヤングソースの略ではないことは読めばわかる。待て待て、検索するな。本書を読めば、笑いとペーソスを実感できるから。
 タイトルにも笑いとペーソスがあると思うよ? 光と闇。善と悪。空腹と満腹。創造と破壊。卵と雄鶏。平和と戦争。笑いとペーソス。つまり二元論のような対義語的なものか? ああ、わかった。つまり島田紳助だな。笑いとペーソス。

“本書の読みどころは言うまでもない。島田紳助だ”わけわかめ。

 冗談はさて置き、戦時下における極限状況における笑いはペーソスを誘うのであり、ペーソスだからこそ笑いを誘うということでいいだろうね? 待て待て、検索するなよ。とにかく、『卵をめぐる祖父の戦争』の笑いとペーソスは一級品だから、笑いとペーソス成分が足りていない方にはおすすめです。

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