2010年6月7日月曜日

マイノリティ・リポート

 最近、面白いもの? を自作していました。電子工作ではなく、かなりローテクノロジーなもの……それは、Rear-Car(和製英語)スクーター牽引用です。
 直接カタカナで表記しないのは、依頼されて作ったので、わたしの所有するRear-Carではないなどの諸事情により、検索で引っ掛かりたくないためです(なんだか矛盾していますね。それと、心配するほど訪問者もいませんが)。
 相談されて、面白そうだったのでお受けしました。一生に一度だけの仕事だと思っています。というか、もう作りたくありません。
 パイプを切って仮付けして、溶接屋さんに本付けをしてもらう。という流れで、それを数回繰り返して完成。
 パイプの曲げも溶接屋さんにお願いしました。パイプベンダーって凄いですね。いとも簡単に指定した角度に曲げてしまうのを目の当たりにして、パイプベンダーに惚れてしまいました。製作の前段階でパイプベンダーも利用可能なのを計算にいれていたら、溶接箇所も減って、もっとスッキリした形に仕上がっただろうなあ。普段は別の仕事でフル稼働しているようなので、パイプベンダーのセッティングを変えて本業の邪魔は出来ないので、現実的には無理だったろうけど。 
 ブログのネタにするつもりがなかったので、製作過程は写真に撮っていません。無事に完成したらホッとしてブログのネタしてみようかという余裕がでました。が、完成してスクーターに取り付けた雄姿を安心しすぎて撮り忘れてしまいました(こっそり、ひっそりとやっているブログなので許可をもらうのもあれなので、どちらにしろ雄姿をお見せすることは無理かな)。
 強度的にはかなり頑丈です。ちょっと補強をしすぎたかな。そのぶん重くなってしまったようです。次回はもう少し考えよう。次回はないけど。
 連結器も自作しました。頑丈だけど、重すぎました。次回はもう少し考えよう。次回はないけど。
 苦労したところは、図面なしで現物あわせで製作したところ。サンダーで沢山のパイプや厚手の鉄板を切ったのでサンダーがお陀仏になりました。仮付けの溶接をサングラス(溶接面で行いましょう)で行ったので顔の皮がボロボロになりました。
 塗装は、上塗りできる亜鉛メッキ塗装を下塗りし、その上に普通の塗装(上塗りする塗料は、油性禁止と注意書にありました)をしました。色は依頼された色にしようとしましたが、調色に失敗して微妙な色になってしまいました(塗装も失敗してます)。色は勘弁してもらいました。連結器は可動部分が危険なので、注意してくださいという意図で、注意を喚起する色にしました。
 スペアタイヤと、テールランプは製作途中で頼まれました。面白そうなので追加作業を行いました。
 タイヤを付けてみると、意外なほどに軽く動きます。実際にスクーターに取り付けテストをして試運転をしてみました。問題なさそうです。ホッとしました。ただ、Rear-Carと連結器が少しだけ当たるところ(走行上の問題はない)があるので、不要なタイヤチューブを帯状に切って干渉部分に巻きました。けっこう帯状ゴムが余ったので、塗装が剥がれやすそうな部分にも巻いてみました。

 数日前が納車? でした。車体側の配線の処理をすませ、いざ最終試運転。連結器の左右に振れる機構が、走行の安定性を妨げることが判明したので、この機構を固定。これにより走行安定性がかなり改善。さらに連結部分を余った帯状ゴムで巻くことにより、ガタツキが無くなりました。納得のいくまで調整をして完了。お客様は色以外はとても気に入ってくれました。苦労が報われる瞬間です。
 製作過程を写真に撮っておけばよかったと今になって思いましたが、製作中は精神的余裕がまったくありませんでした。そういえば、溶接をしてくれたMちゃんが携帯で写真を撮っていたので、溶接完了時の写真をメールしてもらいました。これならお見せしても大丈夫だろう。









 これでRear-Car製作のマイノリティ・リポートを終了します。
  面白かったけど、もう二度とRear-Carは作りたくありません。サイドカー的なものは作ってみたいけど。
 最後に、Mちゃんが溶接を受けてくれたので完成できました。本当にご協力ありがとうございました。

 ちなみに、法律上では、原動機付自転車での牽引は特例として認められています。ナンバー登録も必要ないとのこと。最高時速は25km/hまでです。安全マージンを考慮すると道交法ではそうなるだろう。積載重量は120kg以内だそうです。
 それとRear-Carはサイドカーをみて、日本風にアレンジされたものらしい。大八車から発展したのがRear-Carであるという説もあるようです。一番もっともらしい説は大八車とサイドカーの利点を融合して誕生したのがRear-Carだというもの。諸説あるようです。

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