2021年3月10日水曜日

人生は寄港地のない船である は? 

 はい、こんにちはKOKEです。随分と久しぶりに本屋に行った。そして、久しぶりのSFを入手した。ということで、今回は『寄港地のない船』ブライアン・オールディス/中村融訳を、KOKE視点でグダグダしてみる。

 まず、この作品は1958年に発表され、7年前の2015年に翻訳された。ちなみに著者ブライアン・オールディス氏の没年は2017年8月19日だそうだ。翻訳された作品でもっとも有名なのは『地球の長い午後』だと思われます。内容は忘れましたが、読んだ記憶はあります。
 『寄港地のない船』は、世代交代宇宙船の古典と言ってもよい作品となります。そのために題材は古臭くなりますが、SF界全体に影響を及ぼしたであろう奇想の種が詰まっています。
 日本では2015年に翻訳されましたが、その奇想はあらゆるSF作品にて直接・間接を問わず芽吹き、花開いています。
 その原点である『寄港地のない船』を2021年に読むというのは不思議な感じがしますね。しかも早川書房でなく、竹書房からですからね。『竜のグリオールに絵を描いた男』ルーシャス・シェパード/ 内田昌之訳も竹書房だったよな。こちらも奇想では引けを取らない作品です。ご興味のある方はぜひお手に取ってください。
 『寄港地のない船』のネタバレは一切書きません。世代交代宇宙船は最大のネタバレですが、
作品の面白さには関係がありません。これを読んでいて思い出される作品は、『猫の地球儀』秋山 瑞人です。ライトノベルですが、これも侮れない作品となります。油断して読んでください。は? 
 脱線すると、『猫の地球儀』で思いだされる音楽は、スカパラと宮本浩次のコラボ曲『明日以外すべて燃やせ』です。『猫の地球儀』とは全く関係のない意図で創られた音楽ですが、通底するテーマは同じだと感じます。『猫の地球儀』で泣いたら? 『明日以外すべて燃やせ』をぜ聴いてみて下さい。

 誰が言ったか『SFはやっぱり絵だねぇ』という台詞。Googleで調べたら一発ですが、『寄港地のない船』も例外ではなく、『SFはやっぱり絵だねぇ』と思いますよ。私がこの台詞を知らなかった昔に似たような感銘を受けた作品は、P・Kディックの短編『偽物』でした。筒井康隆の短編 『関節話法』も腹が捩れるくらい泣きながら笑って『SFはやっぱり絵だねぇ』と言いたい作品です。ぜひ。
 『寄港地のない船』で思いだすニュースはコロナ初期で感染者が多発したクルーズ船ですが、SFはシチュエーションや規模の違いはあれど先見の明があるものだと言わざるを得ません。コロナ禍の中、不謹慎ですが思いだされる作品は、森奈津子の短編『西城秀樹のおかげです』です。百合SFですが。ぜひ。

 ということで、しばらくぶりにSF成分を吸収しましたという話でした。しかしあれですね、『寄港地のない船』という日本語タイトルめっちゃネタバレだろうと思ったのは内緒です。それでは!

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