2024年4月24日水曜日

失敗だらけのHSC-7000を利用してRGB21をSDIに変換する方法(完結編)

 前回の続きです。レトロゲーム機のRGB信号をSDI信号に変換してみる実験です。前回は失敗をしてしまったので、アプローチを変更したのが今回の実験です。
 前回と重複していますが、この記事だけを読んでも問題ないようにしました。

 この実験でお話したい前提ですが、レトロゲーム機の範囲を明確にしておきます。SFC、PS、SSの三機種に絞ります。実際の実験はPSのみとします。
 この三機種で共通しているのが、コンポジット、S端子、RGB信号を標準で出力し、各メーカーから純正でコンポジット、S端子、RGB用の出力ケーブルが販売されていました。
 RGBをSDIに変換する理由は、映像ソースとして1番綺麗だからです。

 今回の主役の変換機はイメージニクスのHSC-7000です。実験前の目論みはRGB信号を入力してSDIに変換して出力させることでした。が、実際には15KhzのRGB信号には対応していませんでした。ここで詰みです。

 ここで詰みとなりましたが、手持ちのXSELECT-D4を使用してRGB信号をコンポーネントD1(Y,CB,CR)480iに変換してからHSC-7000に入力してみることにしました。HSC-7000の手前で変換するのはできれば避けたかったのですが、仕方ありません。
 ちなみにRGB(R,G,B,CSYNC)とコンポーネントD1(Y,CB,CR)はどちらも480i(15Khzインターレース)です。ほぼ同じ信号だと思います。

 SDI信号とはシリアルデジタル信号です。わかりやすく書くとHDMIと同じデジタルです。民生はHDMIで、業務はSDIとされていると考えて良いと思います。
 レトロゲーム機をデジタルに変換するならHDMIのほうが断然有利です。商品の選択肢(専用、汎用)が多いですし、コスパも良いです。ハイエンド機であれば遅延の発生も抑えることができるようです。

 一方SDIは業務機なのでゲーム機に特化した機器はおそらくありません。遅延についてもHDMI変換機のようなゼロラグのような尖った特徴を備えていないです。

 前提のお話は以上となります。ですのでレトロゲーマーには必要ない情報となります。手持ちの機器で実験して遊んでいるだけの情報となります。

・PS1(SONY)
・RGB21PINケーブル(SONY)
・XSELECT-D4(マイコンソフト)※1
・D端子→コンポーネントケーブル(サエク)
・3RCA(R,G,B)→VGAコネクタ(不明)
・HSC-7000(イメージニクス)※2
・SDIケーブル(カナレ)
・LMD-9050(SONY)※3

 上記が接続順および接続機器となります。なお音声ラインは未接続となります。

※1,2 XSELECT-D4およびHSC-7000の詳細・操作方法は割愛します。
※3 LMD-9050は以前のトピックで取り上げていますので詳細・操作方法は割愛します。

 結果は、SDI出力できました。『3RCA(R,G,B)→VGAコネクタ』の3RCA端子のG(緑)がVGAの3PINで、B(青)がVGAの2PINでしたのでGとBを入れ替えて接続しました。チャイナ製はこんなのばっかりで嫌気がさす。  映像はわずかに劣化している感じはしました。
((INPUT.STATUS))
SIGNAL.FORMAT TV AUTO
H.SYNC 15.7Khz
V.SYNC 59Hz
SCANTAIP PROGRESSIVE
ASPECT.RATIO AUTO 4:3

 上述が入力信号となりますが、SCANTAIPがインターレースではなく、プログレッシブとなってしまいますが、問題なく変換できています。何故なんだろう? 

 ついでの実験2つも載せておきます。

ついでの実験①
・PS1(SONY)
・RGB21PINケーブル(SONY)
・XSELECT-D4(マイコンソフト)
・D端子→コンポーネントケーブル(サエク)
・LMD-9050(SONY)

 上記の接続でも問題ありませんでした。LMD-9050にコンポーネントD1接続。
 ついでの実験①ですが、XSELECT-D4が機能するのか最小の構成でテストしました。


ついでの実験②
・PS1(SONY)
・RGB21PINケーブル(SONY)
・XSELECT-D4(マイコンソフト)
・D端子→コンポーネントケーブル(サエク)
・3RCA(R,G,B)→VGAコネクタ(不明)
・HSC-7000(イメージニクス)
・BNCコンポーネントケーブル(カナレ)
・LMD-9050(SONY)

 上記の接続でも問題ありませんでした。LMD-9050にコンポーネントD1・D3・D4接続。なおD3は1080i、D4は720pです。
 理由は分かりませんが、HSC-7000からD2(480p)は出力されません。
 ついでの実験②はおまけでテストしました。


 編集後記的なもの

 こういった古い業務用機器は取扱説明書頼りになります。なにしろ使用用途が割と特殊だからです。
 大抵すでに誰かが試して良い結果が出ている場合には情報をみつけることができます。Xでポストされていたりしますね。
 HSC-7000では趣味人の使用例はみつけることが出来ませんでした。つまりはそういうことです。

 今回個人的に有用だったことは、HSC-7000のズーム機能が優秀なことでした。GGLCD初期バージョン(ソフトウエアのバージョンアップでも対応可能)を組み込む際にはVGA出力端子を取り付けておく必要があるということでした。いつ組み込むのかは未定です。
 
 RGBをSDIに変換する方法はわたしの行った方法以外もある。XSELECT-D4をODV-GBS-Cに置き換えるとか、まずRGBをHDMIに変換してしまうとか、そのアプローチはさまざまあります。
 そもそもSDIはレトロゲーム機には不向きなのだから実験の意義は薄いと思います。
 RGB21をSDIに変換できるのか実験してみたかっただけです。たまたま手持ちにHSC-7000があったので試してみただけです。XSELECT-D4が手持ちになければ頓挫してブログのネタにはならなかっただけです。こういう頓挫ネタはいくつもあります。
 ただ、一応はSDIに変換させることができたので、SDI入力の可能なモニタを別途入手して遊ぶ選択肢が増えたのは良かったかな。

 今回の失敗は期待値が高まって、都合の良い解釈をしてしまったことですね。これはありがちなことですよね。それでは!


 追記
 どうしてこのような失敗をしてしまったのか、しばらく経ってわかりました。
 わたしがVGAについてぼんやりとした理解しかしていなかったということです。
 D-Sub15ピン(3列)をVGAとし、水平同期周波数の標準値は、31.4685 kHz。解像度は640×480で、アスペクト比は4:3ということのようだ。
 水平同期周波数については15Khzも含まれているんじゃね? 知らんけど。のような認識だった。厳密には言語化する前にはこんなに明確にあやふやな認識だったことすら気が付いていなかった。なんとかなるんじゃね? と思っていました。
 それと、これは言い訳になってしまいかねないが、VGA入力の液晶モニターで15Khzが通る例外を知っていたというのもあるかな。これはあくまでも変則的であって標準仕様ではない。
 ここをきちんと理解していれば見立ての段階で上手くいかないことは自明の理だったわけです。
 実際に失敗を目の当たりにしてもHSC-7000の問題だとしばらく調整をしていました。なかなか自分の失敗が認められませんでした。
 VGAで唯一認識していたのはDCのVGAボックスだったが、これをスルーしてしまい理解する機会を逃していた。PS2の裏VGAモード(シンクオングリーン)も同様にスルーしてしまっていた。
 そういえば、WAKA製作所の『チョーきれいだね!』というVGAアップスキャンコンバーターもありましたね。
 というのもSONY製『KX-29HV3』というモニターを所有していて満足していたのがおおきいかな。全てをRGB21PINにしたいと思っていたんですよ。
『チョーきれいだね!』は格安なら入手して試してみたいけれど汎用機ではないので、相性問題があるようです。たとえばSFCと接続するとかです。
『チョーきれいだね!』より『ODV-GBS-C』を入手した方が良いかな。

失敗だらけのHSC-7000を利用してRGB21をSDIに変換する方法(失敗編)

 はい、こんにちはKOKEです。今回のトピックは、レトロゲーム機で最高画質だったRGB21をSDIに変換するです。HDMIに変換するではありません。今回はSDI版です。興味本位な実験的意味合いで行いました。

 実験前のアプローチを書いていますが、実際には見事に失敗しています。色々と見立てを誤っています。


 それでは本題(失敗編)に入ります。
 SONY製LMD-9050モニターに、RGB21をSDIに変換して入力してみたいわけです。

 以前に入手していたIMAGENICS社製HSC-7000が今回の主役です。
 これはセガのゲームギア用同人ハードGGLCD初期バージョンをVGAで出力してHSC-7000でズームしようと思って入手したもの。GGLCDは組み込んでいませんし、HSC-7000も仕舞いこんでいます。

・入力信号は、ほとんどのパソコン系アナログ RGB信号に対応可能かつ、D1~D4 端子相当のY,PB,PR(Y,CB,CR)色差コンポーネント信号を直接入力することも可能です。

・入力解像度範囲:320x200~2,048x2,048画素に対応。
水平15kHz~130kHzでかつ、垂直22Hz~150Hzまでの信号に連続追従可能。H/Vアスペクト比の任意。

・入力同期信号:HD・VDまたはCSまたはシンクオングリーン信号(SOG)のアナログまたは TTLレベル。極性と信号レベルを全自動判別対応。

・SDI出力映像信号
SMPTE292M(HD-SDI)または SMPTE259M-C(D1-SDI)準拠0.8V(p-p)NRZI信号75Ω 2分配BNCx2。1.485Gbps(HD-SDI)または270Mbps(D1-SDI)。

・20%~800%までのバリアブルな拡大縮小ズーム機能があります。


 HSC-7000を大雑把に説明すると、PC(VGA)およびコンポーネント信号をSDIに変換し出力します。コンポーネント信号はVGA端子経由での入力になります。
 またアナログ出力にも対応しており、コンポーネント、S端子、コンポジットビデオを出力します。
 なお音声は入力端子がないので、このHSC-7000ではSDI信号に変換はできません。


・テストで使うゲーム機はPS1です(ソフトはドラクエ7)。

・出力ケーブルは、PS2/3用コンポーネントケーブル。RGB信号出力として使用。

・同期信号はLM1881N経由のCsyncです。AVマルチアダプタを使用してS端子のY信号を同期分離。

・モニターはSONY製LMD-9050です。

 結果は、ここまで書いてなんですが、失敗しました。
 RGB21信号をR,G,B信号をVGA入力し、LM1881NでCVBSをC-SYNCに変換してゲンロックに入力しましたが、これはまるで駄目でした。
 続いてC-SYNCをVGAに入力しました。映像はでましたが、白飛びしてしまいます。HSC-7000の入力信号をOSDで確認すると下記のように表示されます。

((INPUT.STATUS))
SIGNAL.FORMAT PC.R.G.B.CS
H.SYNC 15.7Khz
V.SYNC 59Hz
SCANTAIP PROGRESSIVE
ASPECT.RATIO AUTO 4:3

 上記が入力信号の表示です。スキャンタイプはインターレースになっていません。

・480i@60(240P@60):本機を720p出力で使用したとき、若干画質劣化があります。()内はTVゲーム機などの信号の場合。

・入力信号は、ほとんどのパソコン系アナログ RGB信号に対応可能

 取扱説明に上述のように記載されていましたが、これはコンポーネント(D1)のインターレースのことを指していたようです。
 あとは“ほとんどのパソコン系アナログ RGB信号”というくだりですね。ここを自分の都合の良いように解釈してしまいましたが、ほとんどという意味合いには、その範囲には含まれないパソコン系アナログ RGB信号があるということです。
 わたしはここを15KhzインターレースRGB信号もカバーしていると思ってしまい見立てを誤ったようです。
 いやー上手くいくと思ったんだけどなあ。失敗してしまいました。


 本当は失敗編など不要だと思っていましたが、備忘録として記録に残しておきます。

 この続きを書いています。
 “失敗だらけのHSC-7000を利用してRGB21をSDIに変換する方法(完結編)”

2024年4月3日水曜日

PSoneモニター AV入力 4極ミニプラグ ピンアサイン

 PSone液晶モニター(SCPH-130)AV(コンポジッ)ト入力 4極ミニプラグピンアサインは下図のとおりです。
 4極ミニプラグには取り決めが無いようで、ピンアサインがばらばらです。PSoneモニターの場合はCTIA規格となっているようです。
 PSoneモニターの場合は上図のとおりです。取扱説明書の記載を確認しています。

 ケーブルだけをみても判断ができないのが困りものですね。
 サウンドハウスさんのブログトピック『極めろ~ステレオミニ4極プラグの極意』では映像用の4極プラグは「沼」と表現されていました。

2024年3月30日土曜日

『CANARE V5B-BCJ-HD15S』 VGAピンアサイン 備忘録

『CANARE V5B-BCJ-HD15S』という5BNC⇔VGA変換BOXのVGAコネクタでの内部配線を備忘録としてペイントで描いてみました。


1 RED --------------- 6 GND
2 GREEN ------------ 7 GND
3 BLUE -------------- 8 GND

13 HSYNC or CSYNC - 10 GND
14 VSYNC ------------- 10 GND

 上記のとおりです。
 ケース外側からみたVGAメスのピンアサインとなります。
 5BNCのシールド線がGNDとなります。
 13と14のGNDは10を共用していました。

※VGA端子の正しいピンアサインはWikiなどでお調べください。

2024年3月21日木曜日

LM1881N一口メモ(自分用備忘録)

 自分用 備忘録

 前段として、コンポジット映像信号を、S(端子)信号のY信号とC信号をもちいて書いてみます。
 そうすることでわたしが理解しやすいと思いました。



 コンポジット映像信号CVBSの信号は下記のY信号とC信号をまとめた信号である。


・Y信号 (Luminance):輝度信号/同期信号C-SYNC(H-SYNC/V-SYNC)
・C信号(Chrominance):色信号

 S端子は、Y信号とC信号を分けて伝送している。



 前段を踏まえて書きます。
 LM1881NでCVBSからC-SYNCを取り出す場合、輝度信号を除くことができるが、色信号はCVBS入力段でローパスフィルタLPF(620Ωと510PF)を設けることで取り除くことが出来る。ただし、LPFを回路に組み込むと遅延が発生する。
※ローパスフィルタLPF(620Ωと510PF)はクロマフィルターです。

 わずかとはいえ遅延が発生するLPFは無い方が良いわけです。そこで上述したS端子のY信号をCVBSの代わりにLM1881Nに入力すればLPFが必要なくなります。

 LM1881NではC-SYNCとV-SYNCが出力できるが、H-SYNCは出力できない。C-SYNCをH-SYNCの代用して問題ない場合もある。またLPFがなくても問題ない場合もある。これは接続する機器によります。

 電子工作や関連する知識は浅いので誤りがあるかもしれません。誤りがあればご指摘下さい。よろしくお願いいたします。

 LM1881Nはディスコンです。


SONY製LMD-9050でドラクエ7をRGB接続で遊ぶためのドラクエ7より楽しい電子工作(LM1881)

2023年12月14日木曜日

マウスと猫とヌンチャク

 はい、こんにちはKOKEです。今回はPC用マスの改造です。用途はYouTubeの広告スキップを遠隔で操作するだけです。

 どのようなシチュエーションで必要かというと、寝ながらラジオドラマや朗読系を聴く場合になります。
 15秒程度の広告であれば気にしませんが、おそろしく長い広告? のような場合に温もった布団から姿勢を変えてスキップボタンを押すのが嫌な時です。あー、そこの君、広告なしにすればいいんじゃね? と突っ込まないように。

 それだけなら無線のマウスで事足りますが、マウスを布団の中に入れてなんてことをすると誤動作してしまうかもしれません。それにわたしの愛用しているのがトラックボールタイプなので、カーソールを所定の位置にしておいても布団の中で目を閉じたままで左クリックだけ操作できません。

 というわけで、マウスを改造してみました。愛用のトラックボールタイプではなく、ダイソーの無線式でUSB充電式のマウスを別途用意しました。550円の商品になります。左クリック以外の機能を殺してしまうことも考えましたが、持ち辛いので握り良さそうなコントローラーの候補を考えました。Wiiのヌンチャクコントローラーが良さそうです。必要なのはマウスの左クリックだけなので、ヌンチャクのZボタンを利用すれば簡単そうです。

 ヌンチャクの配線は5線で赤、白、黄、緑、黒です。黒はGND線? のようなので黄、緑を使いました。黄、緑線をZボタンの黒、赤線と挿げ替えました。黄、緑線をマウスの左クリックスイッチに基板裏で半田しました。
 試してみましたが、マウスの左クリックは正常に動作しますが、ヌンチャクのZボタンは動作しません。スイッチの種類が違うので駄目でした。ヌンチャクの配線に適当な抵抗を付けたら問題なく動作しました。こんな対処法で良いのか不明です。正しい対処法はどんな方法なのでしょうか?

 マウスとヌンチャクの接続は純正のコネクタを利用しています。箸入れみたいなコントローラーの後部をサンダーでケースごと切り離しマウスの右下にねじ止めしました。結構な荒業です。
 マウス側はタッパーに放り込んでしまいました。

 で、実際に使用してみると不具合があります。マウス側が10分ぐらい使用しないとスリープモードになる仕様です。左右ボタンクリックで復帰しない場合は、マウス裏面のスイッチをOFF→ONにしてご使用下さい。と、なっています。面倒ですな。
 それと、Zボタンを誤って押していて視聴が停止したりします。
 そこで、マウス側の電源スイッチを取り除き、ヌンチャクの余り線の赤、白を半田して、ヌンチャクの右側面にスライドスイッチを追加してヌンチャク側に電源スイッチを移動させました。

 これで安眠できるようになりました。DIYは楽しいですね。もう一つこれで役に立つのが自宅トレ中の広告もスキップしやすくなりました。

 今回の工作で使用したWii用のヌンチャクと箸入れみたいなコントローラーはハードオフで程度のよさそうなものを選んで使用しました。タッパーの蓋にファスナーテープを取り付けて片付けしやすくしました。

 寝てると身動きが取れないんですよ。猫飼いならわかるでしょ? それでは!

2023年9月23日土曜日

百均のLED懐中電灯をスクーターのミラーにクランプする

 はい、こんにちはKOKEです。今回は百均のダイソー商品で遊ぶです。
 その商品はLED懐中電灯です。電池3本を使用するLED懐中電灯は、昇圧回路などを使用しておらず抵抗だけで電流制御しているので割と簡単に改造できます。
 それとLED懐中電灯を原付のミラーにクランプするのを工夫してみました。ミラーにシャフトを使用しているバイクであれば今回の方法は応用が利きます。

 まずはダイソーで入手した商品2点を下記に記載しておきます。
 今回も写真はありません。ミラーにクランプするステーはペイントで描きました。


ダイソー

『LED LIGHT -STRONG- ランチャーライトストロング』
単4乾電池3本使用
※電池別売
特殊レンズ使用で力強い光!!
1LED:4.5v/170mA
40lm

『BASIC BRACKET』
直径25mmのつっぱり棒専用
耐荷重:1Kg
5mmボルト・ナット&滑り止めシート付き
2セット



 LED懐中電灯をなんとなく手に取った。それから色々物色していたら、つっぱり棒のオプション品であるクランプを見つけた。
 LEDの懐中電灯の握り部分も25mm(実測27mmm前後)ぐらいなので合体できるな。今のところ使い道は考えてはいないが、何か工作してみようととりあえず入手。百均なので気軽に買えるのが良い。

 さて、LED懐中電灯をクランプさせて何に使おうかな? 自転車に付ける? いや、自転車は所有していない。
 原付スクーターにでも付けるかな。L字ステーを使ってミラーと共締めすれば簡単だなと思ったが、ミラー取り付け部がライトカウル表面より下がっている。ワッシャー数枚をスペーサーとして使うか、ミラーアダプターを使用すれば問題なさそう。
 いったんはこれで良いかなと思っていたが、急ぐ必要もないので別の方法を模索してみることにした。
 この模索がいわゆるお金の掛からないお遊びである。暇な時に色々作戦を考えるわけだ。なんとなく案が浮かんだので暇な時にホームセンター(ジョイフル本田)に行ってみて入手したものは、下記の通り

・6角ナットM12
・高ナットM6 30mm
・ホーローM6 20mm
・ちょうボルトM6 15mm

 これらを組み合わせる。ただし、加工がいる。6角ナットM12の側面にM6ネジを切るだけ。電動ドリル、下穴5mmドリル刃、M6ピッチ1.0のタップ切り、ポンチが必要です。工作の難易度は割と低いです。
 下準備の追加としては、つっぱり棒クランプのネジ取り付け穴を5mmから6mmに拡張するぐらいです。プラスチックなのでドリル使用なら一瞬で作業は完了です。

 ①取り付けるミラーを車体から外す、ミラーのナット、ゴムカバー等を外す。
 ②角ナットM12をミラーに通す。ゴムカバー、ミラーのナットをミラーに付ける。
 ③ミラーを車体に付ける。ミラー調整も済ませる。
 ④側面にM6ネジ切りした6角ナットM12にホーローM6 20mmを3mm六角レンチで仮締め。
 ⑤飛び出しているホーローに高ナットM630mmを仮締め。
 ⑥高ナットにLED懐中電灯をクランプしてちょうボルトM615mmで仮締め。
 ⑦LED懐中電灯を点灯させお好みの位置を確認し、④、⑤、⑥で仮締めした部分を本締めする。完成!!
 6角ナットM12を使用したのは内径がミラーのシャフト径に近いため。内径10.3mmぐらい。実際にはミラーをホームセンターに持ち込んで試した。
 それとパイプと違い側面が平面なので加工しやすいというのもあります。
 ユニクロメッキの鉄なので安いというのもあります。ステンレスは硬いので加工の難易度が上がります。
 ミラーによってシャフト径が違いますので、M14(内径12mm)、M16(内径14mm)、などに変更されれば応用が利きます。側面に利用したホーロー、高ナット、ちょうボルトはM6でピッチ1.0を使用しましたが、これはバイクや自動車で最も使用されるサイズなので、タップ切りも下穴5mmドリル刃も別途で入手されても無駄にはならないと思われます。
 ちょうボルトを使用したのは、LED懐中電灯を簡単に取り外すことができるようにするため。


 ここまでが取り付けで、ここで終わっても問題ありません。が、LED懐中電灯もちょっとした改造を施します。
 ※以下は素人のわたしが適当に書いているので、実際には参考程度に留めて下さい。鵜呑みになさらないようにお願いいたします。

 単4乾電池3本使用をUSB電源に対応させます。そのためにLED懐中電灯のスペックを知る必要があります。パッケージの記載は下記の通り。 1LED:4.5v/170mA

 制御は簡素な抵抗だけです。抵抗値は4.7Ωのチップ抵抗でした。
つまりスペック表は無いものの計算すると、LEDのVfを3.7Vとして使用しているようです。
4.5V-3.7Vf=0.8V
0.8V÷0.17A=4.70Ω
間違いなさそうです。
消費電力は、
0.8V×0.17A=0.136W
です。

 USB電源の場合は5Vで計算しました。
5V-3.7Vf=1.3V
1.3V÷0.17A=7.64Ω
170mAで使用する場合は抵抗を交換する必要があります。

 抵抗を交換しない場合は、
1.3V÷4.70Ω=0.276A
つまり276mA流れます。乾電池使用よりわずかに明るくなり、どれくらいかわかりませんが寿命も短くなります。

 抵抗を交換する方法もありますが、整流ダイオードを入れれば電圧降下します。
1Aの整流ダイオードで十分です。0.6V電圧降下すると仮定して、
5V-0.6V=4.4V
になります。
4.4V-3.7Vf=0.7V
0.7V÷4.70Ω=0.148A
 148mAなので乾電池使用時よりやや暗くなるでしょう。電池消耗が無いので明るさの変化はないですね。

 わたしは整流ダイオードを入れずに、抵抗も交換しません。長時間点灯させることもないし、もし切れたらその時にはダイオード入れようかな。


 USBが簡単だと思いますが、12V車から電源を利用する場合も計算してみましょう。
 一応14Vで、こちらの場合はダイオードは必須だと思われるので、0.6V電圧降下で計算します。
14V-0.6V-3.7Vf=9.7V
9.7V÷0.17A=57Ω
抵抗は57Ωになります。

9.7V×0.17A=1.65W
1.65Wになりますので抵抗の容量Wはマージンをみて4Wの57Ωといったところでしょうか?
 120Ωで2Wのものを並列すれば、容量W2倍、抵抗値半分になりますね。2Wの抵抗は結構大きいけれど、電池を入れないのでスペース的には余裕はあると思います。
 この場合内部のチップ抵抗4.7Ωは必ず取り除く必要があります。


 肝心の工作部分は取り出し式の電池ボックスのプラスとマイナスに、USBの線のプラスとマイナスを半田付けすればいいだけです。USBの配線はLED懐中電灯後方に穴を開けて通しました。
 USBケーブルの端子はタイプAが無難でしょうね。長さはお好みで。
 わたしはタイプAメスを短めに付けました。タイプAオス端子だけ別途手配したので、ケーブルか端子ケースにダイオードを仕込んでもいいかなと思っています。抵抗なら3Ω(1/2W)を追加すればダイオード無しでもいいと思います。
 電池ケースに接続させた理由は、後方のオンオフスイッチを利用したかったからです。
 LED懐中電灯の改造は以上となります。ごちゃごちゃ書いていますが、電池ケースにUSBの配線を半田付けしただけです。何も難しいことはしていません。
 点灯はモバイルバッテリーで確認しました。

 車体側のUSB電源はダイソーのシガーソケット用USBを適当に加工して適当に取り付けしようと考えています。USBタイプAオス端子が届いてから作業しようと思います。


 このようなコンセプトの商品は既にたくさん存在しています。なおかつより優れた性能だったりします。わざわざ自作する必要はないです。
 原付の使用用途はコンビニに行くだけなので本当はこんなもの必要ないのですが、わたしは自作、加工、改造が楽しいので自分の可能な範囲で遊んでいます。

   ここだけの話、抵抗の容量については最近知りました。実際に失敗してようやく容量について理解しました。1/4Wとか1/2Wの表記は抵抗のサイズだと思っていました。恥ずかしーそれでは!