前回の続きです。レトロゲーム機のRGB信号をSDI信号に変換してみる実験です。前回は失敗をしてしまったので、アプローチを変更したのが今回の実験です。
前回と重複していますが、この記事だけを読んでも問題ないようにしました。
この実験でお話したい前提ですが、レトロゲーム機の範囲を明確にしておきます。SFC、PS、SSの三機種に絞ります。実際の実験はPSのみとします。
この三機種で共通しているのが、コンポジット、S端子、RGB信号を標準で出力し、各メーカーから純正でコンポジット、S端子、RGB用の出力ケーブルが販売されていました。
RGBをSDIに変換する理由は、映像ソースとして1番綺麗だからです。
今回の主役の変換機はイメージニクスのHSC-7000です。実験前の目論みはRGB信号を入力してSDIに変換して出力させることでした。が、実際には15KhzのRGB信号には対応していませんでした。ここで詰みです。
ここで詰みとなりましたが、手持ちのXSELECT-D4を使用してRGB信号をコンポーネントD1(Y,CB,CR)480iに変換してからHSC-7000に入力してみることにしました。HSC-7000の手前で変換するのはできれば避けたかったのですが、仕方ありません。
ちなみにRGB(R,G,B,CSYNC)とコンポーネントD1(Y,CB,CR)はどちらも480i(15Khzインターレース)です。ほぼ同じ信号だと思います。
SDI信号とはシリアルデジタル信号です。わかりやすく書くとHDMIと同じデジタルです。民生はHDMIで、業務はSDIとされていると考えて良いと思います。
レトロゲーム機をデジタルに変換するならHDMIのほうが断然有利です。商品の選択肢(専用、汎用)が多いですし、コスパも良いです。ハイエンド機であれば遅延の発生も抑えることができるようです。
一方SDIは業務機なのでゲーム機に特化した機器はおそらくありません。遅延についてもHDMI変換機のようなゼロラグのような尖った特徴を備えていないです。
前提のお話は以上となります。ですのでレトロゲーマーには必要ない情報となります。手持ちの機器で実験して遊んでいるだけの情報となります。
・PS1(SONY)
・RGB21PINケーブル(SONY)
・XSELECT-D4(マイコンソフト)※1
・D端子→コンポーネントケーブル(サエク)
・3RCA(R,G,B)→VGAコネクタ(不明)
・HSC-7000(イメージニクス)※2
・SDIケーブル(カナレ)
・LMD-9050(SONY)※3
上記が接続順および接続機器となります。なお音声ラインは未接続となります。
※1,2 XSELECT-D4およびHSC-7000の詳細・操作方法は割愛します。
※3 LMD-9050は以前のトピックで取り上げていますので詳細・操作方法は割愛します。
結果は、SDI出力できました。『3RCA(R,G,B)→VGAコネクタ』の3RCA端子のG(緑)がVGAの3PINで、B(青)がVGAの2PINでしたのでGとBを入れ替えて接続しました。チャイナ製はこんなのばっかりで嫌気がさす。
映像はわずかに劣化している感じはしました。
((INPUT.STATUS))
SIGNAL.FORMAT TV AUTO
H.SYNC 15.7Khz
V.SYNC 59Hz
SCANTAIP PROGRESSIVE
ASPECT.RATIO AUTO 4:3
上述が入力信号となりますが、SCANTAIPがインターレースではなく、プログレッシブとなってしまいますが、問題なく変換できています。何故なんだろう?
ついでの実験2つも載せておきます。
ついでの実験①
・PS1(SONY)
・RGB21PINケーブル(SONY)
・XSELECT-D4(マイコンソフト)
・D端子→コンポーネントケーブル(サエク)
・LMD-9050(SONY)
上記の接続でも問題ありませんでした。LMD-9050にコンポーネントD1接続。
ついでの実験①ですが、XSELECT-D4が機能するのか最小の構成でテストしました。
ついでの実験②
・PS1(SONY)
・RGB21PINケーブル(SONY)
・XSELECT-D4(マイコンソフト)
・D端子→コンポーネントケーブル(サエク)
・3RCA(R,G,B)→VGAコネクタ(不明)
・HSC-7000(イメージニクス)
・BNCコンポーネントケーブル(カナレ)
・LMD-9050(SONY)
上記の接続でも問題ありませんでした。LMD-9050にコンポーネントD1・D3・D4接続。なおD3は1080i、D4は720pです。
理由は分かりませんが、HSC-7000からD2(480p)は出力されません。
ついでの実験②はおまけでテストしました。
編集後記的なもの
こういった古い業務用機器は取扱説明書頼りになります。なにしろ使用用途が割と特殊だからです。
大抵すでに誰かが試して良い結果が出ている場合には情報をみつけることができます。Xでポストされていたりしますね。
HSC-7000では趣味人の使用例はみつけることが出来ませんでした。つまりはそういうことです。
今回個人的に有用だったことは、HSC-7000のズーム機能が優秀なことでした。GGLCD初期バージョン(ソフトウエアのバージョンアップでも対応可能)を組み込む際にはVGA出力端子を取り付けておく必要があるということでした。いつ組み込むのかは未定です。
RGBをSDIに変換する方法はわたしの行った方法以外もある。XSELECT-D4をODV-GBS-Cに置き換えるとか、まずRGBをHDMIに変換してしまうとか、そのアプローチはさまざまあります。
そもそもSDIはレトロゲーム機には不向きなのだから実験の意義は薄いと思います。
RGB21をSDIに変換できるのか実験してみたかっただけです。たまたま手持ちにHSC-7000があったので試してみただけです。XSELECT-D4が手持ちになければ頓挫してブログのネタにはならなかっただけです。こういう頓挫ネタはいくつもあります。
ただ、一応はSDIに変換させることができたので、SDI入力の可能なモニタを別途入手して遊ぶ選択肢が増えたのは良かったかな。
今回の失敗は期待値が高まって、都合の良い解釈をしてしまったことですね。これはありがちなことですよね。それでは!
追記
どうしてこのような失敗をしてしまったのか、しばらく経ってわかりました。
わたしがVGAについてぼんやりとした理解しかしていなかったということです。
D-Sub15ピン(3列)をVGAとし、水平同期周波数の標準値は、31.4685 kHz。解像度は640×480で、アスペクト比は4:3ということのようだ。
水平同期周波数については15Khzも含まれているんじゃね? 知らんけど。のような認識だった。厳密には言語化する前にはこんなに明確にあやふやな認識だったことすら気が付いていなかった。なんとかなるんじゃね? と思っていました。
それと、これは言い訳になってしまいかねないが、VGA入力の液晶モニターで15Khzが通る例外を知っていたというのもあるかな。これはあくまでも変則的であって標準仕様ではない。
ここをきちんと理解していれば見立ての段階で上手くいかないことは自明の理だったわけです。
実際に失敗を目の当たりにしてもHSC-7000の問題だとしばらく調整をしていました。なかなか自分の失敗が認められませんでした。
VGAで唯一認識していたのはDCのVGAボックスだったが、これをスルーしてしまい理解する機会を逃していた。PS2の裏VGAモード(シンクオングリーン)も同様にスルーしてしまっていた。
そういえば、WAKA製作所の『チョーきれいだね!』というVGAアップスキャンコンバーターもありましたね。
というのもSONY製『KX-29HV3』というモニターを所有していて満足していたのがおおきいかな。全てをRGB21PINにしたいと思っていたんですよ。
『チョーきれいだね!』は格安なら入手して試してみたいけれど汎用機ではないので、相性問題があるようです。たとえばSFCと接続するとかです。
『チョーきれいだね!』より『ODV-GBS-C』を入手した方が良いかな。
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