2023年9月15日金曜日

プレスカブを最強にしてみたよ

 はい、こんにちはKOKEです。今回のネタはスーパーカブです!


新聞配達で使うバイクと言ったらプレスカブだった。現在はヤマハ製ニュースギアというスクーターの使用が圧倒的だと思われる。
 今回は、プレスカブの改造をネタにしてみます。
 10年以上前? に新聞屋さんでもないのにプレスカブを新車購入したAさん。日常使いに現役なのですが、前カゴの前にある前照灯がいかれてしまった。配線系のトラブルではなく物理的破損。
 状態は、前カゴ兼ヘッドライトステーの変形、ヘッドライトステーの折れ。ヘッドライトケースの割れ。ヘッドライトリムの変形。ヘッドライトレンズは割れておらず、ヘッドライトは点灯していた。
 針金とタイラップで歪んだ前カゴに無理やりくくり付けられていた。パリダカラリー参戦中のとりあえず直しました仕様である。嫌いじゃないけどライトの光軸どうのという話じゃない状態。
 部品はライトケース、ライトリム、前カゴ兼ヘッドライトステー、前カゴを交換すれば復活しそう。
 こんな状態のプレスカブを見ていてあれこれ考えていたら弄りたい欲求がむくむくと頭をもたげた。
 わたしはボロい溶接機があるので溶接は可能。ドリルもサンダーも持っているのでなんとかなりそうな予感。
 ちなみにこの年代のバイクの部品は廃盤で入手が困難のよう。

 そこでAさんに打診。改造をさせてもらうことになった。
だがそこは日常使いのプレスカブなので長期間預かることは出来ないので、ざっくり目検で確認してこの日は解散した。

 いろいろと検討した結果、前カゴ兼ヘッドライトステーは再利用することにした。車体側に付くステーがとんでもなく変形しているが、ここはカットして鉄板を溶接すればなんとかなりそう。
 ヘッドライトステーが折れているがこれはパイプで薄いためわたしには溶接出来ないので丸棒で新規に作ることにした。
 ヘッドライトケース等を入手すれば元通りとまではいかないが、少なくとも機能は回復する。わたしからみるとヘッドライトが暗いように感じるし実際暗い。ではあるが、10年以上? 乗っているので、必要最低限はクリアしているのだろう。

 今回は改造する許可ありなので思いきってヘッドライトを別のものに交換することにした。とはいえコストを贅沢にかけることは出来ないので何か良いヘッドライトがないか物色してみることに。
 どうせ交換するなら機能アップもはかりたいので条件を決めた。丸型ヘッドライトで左右で固定するタイプ。上下の光軸はヘッドライト下に調整ネジのあるもの。左右の光軸はリムに調整ネジのあるもの。マルチリフレクターではないヘッドライトレンズ。バルブはH4を選択(ここ重要)。
 結果的にすべての条件を満たすKawasakiの250TRの純正品を流用することにした。ヘッドライトケースが樹脂なのも気に入った。
 ヘッドライトステーは9mm丸棒と、3mm平板で切った貼った曲げたして自作した。光軸調整も簡単に出来るし、特に微調整の精度は非常に良い。
 あとは事前に出来ることは、H4バルブソケットをギボシへ変換する配線(プレスカブがギボシ接続なため)を作るくらい。車両なしでの事前作業はここまで。

 ヘッドライトバルブの選定がキモで、これは検索していてこれだ! というバルブを発見したので、実はこれを見つけて今回の改造にメドがたったのである。
 H4のヘッドライトバルブはハロゲンバルブが一般的で55/60Wぐらいの消費電力が一般的だ。だがプレスカブの標準バルブの消費電力は30/30Wである。そこで近年のトレンドLEDである。消費電力とコスパなどを考慮していろいろと検索した結果、M&Hマツシマ社製のPonLEDというものにした。
 ただし、H4型はPonLEDシリーズにはないので、HS1型を採用した。H4とほぼ同じだが、上側の爪だけ2mmほど幅が広い。保証はなくなるがニッパで左右1mmほど切り取って使用した。
 これは格安で、ハロゲンバルブよりバルブ前部がアルミの放熱器があるものの、HS1バルブソケット側には余計なギミック(放熱フィンや放熱ファン)がなく直流/交流変換器もなくまさにポン付けタイプ。おまけにハイビーム時にもロービームが点灯しているプラスオンハイビームという機能付きで、交流でも直流でも取り付け可能。さらに当然消費電力も5Wとわたしの望む機能以上のもの。今回の改造にはうってつけのヘッドライトバルブだった。


 プレスカブは交流電源をヘッドライトに使用しているが、これをジェネレータの改造などする必要がないのが良い。
 懸念はアイドリング時のチラツキだが、プレスカブでは全くチラツキもなく良好だった。
 標準のハロゲンバルブよりは圧倒的に明るいし、これより明るくしたければいくらでも明るいLEDバルブはあるし、低出力のハロゲンバルブ30W程度のものに変更も可能だし選択肢は多くなり、困ることもないだろう。
 もう取り付け後のインプレッションを書いてしまったが、自作ヘッドライトステーと純正ステーも良い案配に溶接した。

 ステーも重くなり、ヘッドライトも大きくなったので取り付け後の使用に不具合がないか心配だったが、フロントフェンダーよりはみ出ることもなく、光軸調整も問題なかった。重くなったのでブレが心配だったが、ヘッドライトステー後方上部を前カゴに固定するステーも付けた。走行してみても全く問題なかった。
 一番心配したのがハンドリングの変化だが、新聞を前カゴに積めても問題なく走行出来る仕様なので、これも問題なかった。
 つまり非常に満足する出来になった。溶接は下手くそだが、溶接箇所が剥がれるなどはないようにガッチリはしました。塗装はサフェーサーとシルバーを吹き気休めでクリアー塗装も缶スプレーしました。
 塗装は適当ですが、機能優先ですので今回は問題ないです。それに10年以上? 使用されたプレスカブなのでヤレているのでかえって綺麗になってしまいました。

 それからおまけに生きていたヘッドライトレンズはもったいないのでダイソーの2WAYライトから引き抜いたLEDバルブを仕込みました。ヘッドライトバルブを加工しました。
 1つの砲弾型LEDバルブですが、30W相当の明るさです。消費電力はマージンをやや持たせておそらく100mA程度になる抵抗値にしました。仮に15Vになっても問題ないようにしました。もちろん整流ダイオードも入れましたし、念のためのヒューズもいれました。
 本来はこちらもヘッドライトと同じ交流ですが、こちらはフロントブレーキスイッチから直流電源を横取りしました。
 これによりキーオンでポジションが点灯します。消費電力が非常に少ないので問題ないと思います。
 本当は左ハンドルにあるポジションスイッチで制御しようと思っていましたが、ポジションライト内の配線(ギボシ配線の雑然な様子)の様子をみて面倒になりスイッチは利用しない方法にかえました。
 もし要望があったら変更しようと思います。配線加工するだけで面倒ではあるものの難易度は低めなので。

 手間は掛かましたがコストはそれほどではなかったです。ヘッドライトも中古品ですし、バルブがとにかくお手頃価格だったのが大きいですね、マツシマ製なのも安心感ありますからね。
 とにかく楽しんで工作させてもらいました。つまりAさんもわたしもWinWinで良かったねということです。
 あと前カゴは純正品が1万円前後するので互換品を使用しました。新聞カゴとのことで実用上の強度は十分ですね。しかし純正の前カゴはもっと強度があります。さすがに純正品質といった感じでした。

 見た目はヘッドライト大きすぎ感は否めませんが、パリダカに出場していたかのような武骨さもあります。ヘッドライトガード的なものも左右に付けましたが、左右は前カゴの方が広いので必要なかったかも。

 今回も写真はありません。人様のプレスカブですからね。ただヘッドライトステー制作時の写真は撮っておくべきだったと思いました。
 ちなみに余談ですが、250TRのヘッドライト裏側下部には配線を通す35Φ程度の穴が2つ開いていますが、片側はホームセンターのゴムキャップで蓋をして、もう一方の穴にプレスカブのゴムキャップをそのまま利用しました。サイズがバッチリでした。これは予想外でラッキーでした。

 ポジションLEDは別にダイソーでなくてもよかったのですが、流用改造は楽しいですし、手軽に低価格というのもいいです。失敗しても缶ジュース程度の損失ですからね。
 今回のポジション改造はプレスカブでしか使えなく汎用性はあまりありませんので詳細は書きませんでしたが、もしご要望がありましたらコメント下さい。暇をみて書いてみます。こちらはメモ書きが残っているので詳しく書けます。
 こちらの改造はAさんに事前確認していません。事後に実験させてとお願いしました。よってこっちはすべて無料です。どれくらいもつものなのか楽しみです。万が一問題があっても簡単に元に戻せるようになっています(使用2日目に点灯しなくなりました。原因が分かったので改良版でテストしてもらっています)。
 またこれも余談ですか、わたしもプレスカブが欲しくなってしまいました。それでは!

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