2022年9月4日日曜日

SONY製LMD-9050でドラクエ7をRGB接続で遊ぶためのドラクエ7より楽しい電子工作(LM1881)

 はい、こんにちはKOKEです。今回はSONY製LMD-9050という業務用小型モニターを入手したので、オールドゲーム機のRGB接続してみよう。と、いう内容になります。
 とりあえず、PS1を接続してみたら(テストプレイ用にドラクエ7を110円で入手してきた)映像が乱れまくりつつエンディングまで攻略し、後はやり込み要素を消化するという段になってようやくこの問題を解消しなくてはと思い立つところからこの物語は唐突に始まります。


 コンポジット映像信号を外部同期信号(EXT SYNC)として利用しているのが画面の乱れに影響しているような気がする。
 その根拠は、RGB接続でしかPS1の接続を試していなく、PS1の出力信号がそもそも標準的な信号から外れているのだと思い込んでいた。
 それで一応コンポジット、S端子でも試してみることにした。コンポジットは映像が甘いものの映像の乱れも途切れもなく、S端子では非常に綺麗な映像で問題もない。
 ということは、RGB接続だけ映像の乱れや途切れが起こるのは、コンポジット映像信号を外部同期信号(EXT SYNC)として代用しているからなのかもしれないと思い始めたのです。

 この同期信号というのがやっかいで、RGB21PINコネクタを標準で備えていた昔のモニターやテレビではコンポジット映像信号を同期信号としていた。そういう規格だった。
 同期信号・輝度信号・色信号の合成がコンポジット映像信号だが、SONY LMD-9050はコンポジット映像信号を同期信号とした場合、分解能が低いのか、そもそもコンポジット映像信号を外部同期信号として入力することは想定していないということだろう。

 そこで昔懐かしいICの登場である。LM1881Nである。このICは既にディスコンになっていて価格も値上がりしているようだが、まだ今現在も入手は可能なようだ。ディスコンはとても残念ですね。
  品質・性能面は使用していないので分かりませんが、Amazonでも互換品がありますね。わたしが使用したのはディスコンのナショナルセミコンダクター製です。ディスコンなのを知ってICソケットを利用して回収しやすくしておきました。

 LM1881Nの良い点は、抵抗・コンデンサの追加が非常に少ない点だ。それと複合同期信号(CSync)が取り出せる点は今回の場合楽ちんだ。また、ローパスフィルタ(以下LPF)を追加するのも楽ちんだ。620Ωと510pFを追加するだけのようだ。

 この工作の途中、部品待ちの間に外部同期信号をS端子のY輝度信号でも試してみました。グレー色のAVマルチアダプターが余っていたので、RCAケーブルを裏蓋から生やして実験してみました。コンポジット映像よりも改善はしたものの映像の乱れ途切れは起こります。実用にはなりません。
 今のところS端子接続が最善策です。というかS端子で十分に奇麗ですし、問題も起こりません。

 LM1881Nをどこに仕込もうか考えた結果、S端子付きのAVセレクターが良い案なんじゃね? と思った。  例 1入力LPF有り、2入力LPF無しが簡単に出来そう。
 別件で試したい、S端子のY/C(RCA端子)ケーブル変換もついでに追加出来そう(AVマルチアダプターの方が簡単)。
 電源は5-12Vなのでどうにでもなりそう。適当に作った基板の収納も問題なさそう。安いなど等々あるが、手間が掛からないのがその理由だ。

 “ELPA AV SELECTOR ASL-401S”というセレクタを入手した。電源の必要のないパッシブ式。
 以下コンポジット映像信号をCVBSに省略。CSYNCは水平垂直複合同期信号。

 ここから自分用の健忘録
・セレクト1 CVBS入力・・・LPF経由・・・CSYNC出力
※J5のジャンパ線を外し、620Ωと510pF(LPF)に変更。

・セレクト2 CVBS入力・・・・・・・・・・CSYNC出力

・セレクト1(LPF),2 CVBS入力・・・LM1881N・・・CSYNC出力
※LM1881Nからの出力に変更するため、出力端子のパターンカット。

・セレクト3,4 CVBS入力無効
※J13のジャンパ線を外した。

・セレクト1 S端子入力 赤R-Y・・・Y輝度信号(Lminance)
            青B-C・・・C色信号(Chrominance)
※セレクト1のS端子入力から追加RCA端子に直結(パターンカットして本来の出力端子には出力されない)。端子の色を赤と青にした理由はSONYのプロ用に倣ったため。メーカにより異なります。

・追加変更 セレクト3 R/Lオーディオ入力・・・・コンポジット端子に出力
※ステレオ→モノラルに変更。R、Lに600Ωを直列に追加。パターンカット

・電源ジャック:2.1mm標準DCプラグを使用。12v3AのDCアダプタ使用(Vcc5-12V)。
※追記: 電源アダプタを5.2V1.25Aに変更しました。
・電源ラインに0.1uFセラミックコンデンサと10uF電解コンデンサを使用。

・本来のセレクタとして使用する前提なし。

※セレクターは単純な回路とはいえ、テスターは必要となります。

 S端子→RCA端子変換はパネル用のものを使わずに、ありものを使ったら失敗に失敗を重ね、結構面倒だった。ここは要らない工作だったな。セレクト3か4の音声端子をパターンカットして使えばよかったんだよな。
 LM1881Nは簡単な工作だったが、あっちこっちに干渉してこれも次点で面倒だった。
 AVセレクターを流用したので見た目は綺麗に出来ました。ちょっとした暇つぶしにはなった。

 で、本題の効果ですが……映りません! 12Vだと駄目なのかしら。5.2Vでも駄目。いやいやいやいやLM1881Nは簡単な工作だったと上述したが、間違えた? 何度見直しても間違いないのだが……詰んだ。
 取扱説明書には、外部同期信号の記載がありました。下記の通り。

・EXT SYNC 入力
・BNC型(1)0.3~4Vp-p
・正負両極性3値または負極性2値

 負極性2値というのが今回該当すると思うのだが、CVBSの同期信号は負極性だったはず。
 だけどNO SYNCと表示される。仮に正極性だったとしても乱れた映像が映るとかなら分かるが、まったく無反応というのは変だよな。NO SYNC NO LIFE 泣いていいですか?
 電子工作の基礎が分かっていないものだから、もう何度目の敗北になるのか。がっかりだよ。

 数日が経ち、もう一度何がいけないのか調べたけれど分からん。試しに同期信号反転回路というのを追加してみようと思い立ち、手配した。でも何か違うような気がしてならない。
 そこで気が付いたのです。セレクターの基板とLM1881NのGND接続していないことを!
 GNDを結線させると、あっさり映りました! やったね! 映像の乱れも途切れもなくなりました。

 ちなみに入力段のLPFは、C色信号(Chrominance)をカットするフィルターとして機能するようです。LPFを入れることにより、同期信号が 40ns~200ns遅れるようです。
 PS1はどちらも問題なかったですが、わたしの作例ではセレクトによりLPF有り無しが選択できます。

 LPFを使わずにC色信号(Chrominance)を除くのはPS1では簡単で、S端子のY輝度信号(Lminance)をLPF無し回路に通せば理屈の上では問題ないはずです。
 RCA端子(S端子)を加工追加AVマルチアダプターで試してみました。問題なく動作します。
 LPFで使用する620Ωの抵抗ですが、±5%の精度品を100本入りで入手してみたのですが、暇つぶしにテスターで計ってみたら610~613Ωがざっくり10本ぐらいでした。残りは600~609Ωでした。一応613Ωを使用しました。LPFを使わずに済むならそれが一番良い方法だと思います。

 そういえば、Y輝度信号(同期信号)とC色信号を分離するのは、カフェオレをコーヒーとミルクに分離するのが困難なようなもの。という説明をされているのを検索中にみかけました。たとえが上手いなあ。

※追記: LPFを入れることにより、同期信号が 40ns~200ns遅れると表示にどのような差があるのか試して確認してみました。
 方法は、今回改造したセレクタを使用。セレクト1はLPFを経由して、セレクト2は直接LM1881Nの回路に入ります。セレクト1にCVBS入力し、セレクト2にS端子Y輝度信号入力してみました。
 LPFを経由するとわずかに左側に画面が寄ります。1mmくらいかな。セレクト1と2の信号を入れ替えても結果は同じでした。LMD-9050では気になるほどではありませんでした。

※追記:LM1881Nの依り代としてAVセレクターを使用しましたが、CVBS入力に75Ωの終端抵抗が付いています。ちなみに音声入力の終端抵抗は47KΩでした。

※追記
 LM1881Nの出力はTTLレベルになるようです。RGB21PINやSCART端子接続の機器でLM1881Nを使用する場合には出力レベルが高すぎるので、CSYNCの出力端子に470Ωの抵抗を追加するようです。
 入力する機器の仕様により判断できますし、簡単に対処できるようです。

 
 大分以前にWii+Kino101+変換ケーブル=RGB(21ピン)<旧式機器Kino 101汎用化>SS用、RGB化FC、SFC用のAVマルチアダプターを作っていたので、SS、RGBFC、SFC、N64ではこの方法が可能です(試していません)。
 PS2は出力をRGBに変更する。この場合でもCVBSもS端子も同時に出力しているのでPS2でも可能です(試していません)。

 この際にRGB21PINケーブルは不要で、RCA端子(S端子)を加工追加AVマルチアダプターと、PS2/3用のコンポネントケーブルが便利です。RGBはコンポーネントケーブルから出力されます。同期信号はCVBSかS端子のY輝度信号どちらかを使用します。
 もしくはS端子出力付きAVマルチアダプターを使用することもできます。
 もちろんPS2はコンポーネント出力をそのまま接続すれば問題ないはずです(試していません)。NGCもWiiもコンポーネント出力をそのまま接続すれば問題ないはずです(試していません)。

 セレクターでS端子→RCA端子変換した理由は、プロ用機材の中古で遊んでいるとS端子のまま入力できないことが多く、BNC端子やVGA端子などを経由させて入力しないとならない場合があるためです。
 RCAにしておくと都合が良いのです。RCA→BNC変換端子は安くて使いまわしができますし、なによりRCAケーブルは安いし入手に困りません。
 プロ用機材ではS端子を4ピンミニDINとかY/C信号と記載していたりしますね。

 今回の遊びで気が付いたのは、HDMIなどのデジタル化の時代でS端子は風前の灯火ですが、意外や意外コンポジット映像信号はしぶとく生き残っているようですね。SDI的にデジタル伝送出来ると面白くなりそうですが、どうなんでしょうね。

 電源は12Vと5Vどちらでも動作します。PDFには下記の記載があります。
 Input Voltage 3 VP-P (VCC = 5V)
 6 VP-P (VCC ≥ 8V)
 入力信号の範囲と出力される信号に違いがあるようです。よく分かりません。どちらでも問題なかったですけど、今回の場合は5Vで問題ないと思います。


 これは初めに書くべきことでしたが、SONY製LMD-9050小型モニターの仕様はPDFがあるので詳細が気になる方は検索してみてください。ざっくり必要そうな情報をピックアップします。

 電源は背面に取り付けるACアダプター13,5V3A(Vマウント)およびバッテリー(これは必要なさそう)。
 もう一つがXLR4ピン端子から12V2.2A供給となります。もしACアダプターが無い場合でも自作可能です。そのうちに自作してみる予定です。

 NTSCとPALに対応。

 LCD TFTパネル
 画面サイズ:8.4型
 アスペクト:4対3 16対9表示も圧縮画面で表示は可能(アスペクト比16:9が選択されている場合13:9,14:9,15:9その他に選択可能)。
 解像度:1024×768ドット(XGA)
 視野角:85% /85% /85% /85% 見やすいかな。

 入力はコンポジット映像信号BNC端子。S端子。RGB(外部同期またはシンクオングリーン対応)/コンポーネントBNC端子。SDI(HD/D1-SDI)BNC端子。SDIはデジタル伝送方式。民生はHDMIで業務はSDIみたいな感じなのかな。よく分かっていません。

 オーディオ入力:ミニジャック。ステレオミニジャックで試してみたが、L音声だけ音が鳴ることからモノラルですね。おまけみたいなものです。
 モニタースタンドが無い場合はスピーカーの位置が底面の前側となりますので音が小さくなります。

 LMD-9050の下位に9030/9020があります。解像度が640×480ドットで、9030はSDI(D1-SDI)HDではないがあります。9020はSDI未対応。
 9020も確保しています。電源のACアダプター無しのジャンク扱いでしたが、動作確認したら全く問題ないものでした。うれしい誤算でENGキット(フード無し)が付いていました。9050に移植しました。これを付けるとフルアーマー化したようになりカッコいいんですよ(自慢)。
わたしの所有している9050は2009年製でした。9020は2006年製でした。9020でもLM1881Nは有効に働きます(確認しました)。

 で、接続方法はRGB接続ですが、RGB21PINケーブルは使用していません。中国製のコンポーネントケーブルにコンポジットが付いている謎仕様のケーブルです。Amazonなどで購入できる格安ケーブルです。
 一応使えますが、RCA端子が安物過ぎて、真ん中の金属端子だけがすぽっと抜けました。押し込めば接触は回復しますが信じられない低品質です。RCA端子を交換するか、PS2/3用のコンポーネントケーブルを入手しようかな。
 純正品は中古でしか入手できませんが、値段が絶賛高騰中じゃないですか。しくじった安いうちに確保しとくべきだった。まあ何か対策を考えます。

 小型モニターでRGB入力が可能なゲームモニターの代表のPSONE用モニターがあります。ちなみにPSONE用純正液晶の同期信号はS端子のY輝度信号を利用しています。わたしは4,5台確保しています。LM1881Nで同期分離さえしたらLMD-9050の方が圧倒的に奇麗な映像です。スピーカーがモノラルなのがちょっと残念なぐらいです。
 音に関してはノイズさえなければ正直気になりません。工作したくなった時にとっておく課題にしておきたいと思います。
 コンポーネント入力も可能なので、PS2,NGC,Wiiぐらいのオールドゲーム機なら実用になりそうなモニターだと思います。

 電子工作は興味はありますが、わたしは阿呆なのでほとんど理解はしていません。
 本来ならブレッドボードを使用して動作検証してから工作をするというのが正しい順番となります。わたしのように行き当たりばったり思いつくまま工作すると結構時間を無駄にします。

 電子部品は魔法の素で組み合わせて魔法が発動するくらいの感覚しかありません。今回の作例はドラクエ的に表現するとホイミかメラ程度の魔法になるのかなと思います。それでは!


LM1881N一口メモ(自分用備忘録)

2022年7月30日土曜日

SONYのMEU-WX2を電子工作無しで汎用化した気分になれる話

 はい、こんにちはKOKEです。今回は別件でブログのネタを書いていたのですが、本題より脱線ネタの方が面白くなってしまったので、脱線ネタを独立したネタとして書き直してみました。
 実際のところ結論も結果も確認しておりませんので中途半端なネタとなりますことを事前にお断りしておきます。

 しばらく前に格安で、SONYのモニターLMD-152/SETを入手したのでこの変わり種のモニターについて書くことにします。
 正確な発売時期は不明ですが、製造は2005年でかなり古い機種となります。
 出力解像度がLMD-152の場合XGA1,024×768固定で画面比4:3なので、レトロゲーム用としては使えるかもしれない。という観点です。
 もちろん現在の最適解はOSSCと高性能液晶なのは重々承知しております。


 このモニターの最大の特徴がディスプレイ部と信号処理部を分離させたデザイン。パネルと信号処理ユニットを分離した「セパレートデザインコンセプト」です。
 信号処理ユニットというのがMEU-WX2で、パネルというのが、LMD-152、LMD-172W、LMD-212、LMD-232W、LMD-322W(おそらく)になるようです。
 この信号処理ユニットであるMEU-WX2というのがマルチフォーマットコンバータ―で、出力がDVI-Dとなるのです。DVI-Dはもちろんデジタルソースしか出力されませんので、HDMIと互換があるわけです。
 このMEU-WX2だけに着目すると、マルチフォーマット to HDMI(DVI-D)として使えそうに思えるわけです。これが5,000円以下で買えるならレトロゲーマーならちょっと気になりますよね。
 ですが、使用可能なパネル(モニター)はLMD-152、LMD-172W、LMD-212、LMD-232W、LMD-322Wに限定されます。
 これは「セパレートデザインコンセプト」ですからその他のモニターは使えませんということみたいです。そんな殺生なというのが正直な意見です。
 というのも、同時期に発売された小型モニターLMD-9050でのPS1のドラクエ7テストプレイでは映像が乱れまくるのに、LMD-152/SETでは、まったく乱れないんですもん。LMD-9050ではサンゴの洞窟も乱れまくっていましたが、LMD-152/SETでは何事もなく普通に映っているのですよ。
 ですからMEU-WX2を独立したマルチフォーマットコンバータ―として使えたらなあと思うわけですよ。
 なんとしてでも攻略したいというわけではありませんが、一応検索して同じような意見がないか調べてみました。
 海外のフォーラムで同じような意見の方たちを見つけました。URLは下記になります。  https://shmups.system11.org/viewtopic.php?f=6&t=53953

このスレッドの3ページの一番下でハンドルネーム:kiwaさんが書かれているのがどうやら攻略法みたいです。が、わたしには正直よく分からないです。

 自分が分かったつもりで要約すると、ディスプレイを分解して小さなモニターボードを取り外し、このボードにgnd、scl、sda、5vだけを接続すれば、その他のモニターで動作します。(小さなボードはMEU内に収まります)。

 ということらしいです。SDA:シリアルデータ ……データを送受信する。SCL:シリアルクロック……クロック信号。
 SADとSCLとはシリアル通信のことのようで、一般にI2Cと呼ばれているようです。
 小さなモニターボードとは? SADとSCLはDVI-Dのどの端子のこと? これらが理解できれば、それほど難しいことは無いように思えます。
 調べていたらSADとSCLは使っていないモニターもあるようですね。このあたりはあやふやなことしかわかりません。
 このようにI2C制御する方式をマスタースレイブ方式と呼ぶようです。当然マスターはMEU-WX2で、下僕はパネル(モニター)になるでしょね。
 ここからMEU-WX2だけを入手しても無駄なことが分かります。ディスプレイ内の“小さなモニターボード”が必要のようだからです。あとはEDIDエミュレーターはこれを攻略する上でおそらく役に立たないと思われます。このスレッドを読んでみてそのように感じました。
 なんかこれだけのヒントでチンプンカンプンなわたしってどうなのか……なんとなくハードSFに似ています。話の大筋は理解できるけれど、細部で何を説明されているか分からない的なね。
 気になる方はこのフォーラムで確認してみてください。


 とりあえず、わたしに分かるのか判断できませんでしたが、LMD-152(モニター)を分解してみることにしました。4本のネジを外すと簡単に裏側のカバーが外れました。
 次に金属ケースが亀の子2段になっていたので、11本のネジを外し上段の金属ケース開いてみました。3枚の基板構成になっていました。このうちの濃い緑色の縦横3×5cmほどの基板が、当該の“小さなモニターボード”のようです。
 この小さな基板にはコネクタが3つあり、一つは小型ファンに、二つ目が温度センサー(推測)に繋がっていました。三つ目の5端子コネクタに茶、赤、橙、黄、緑のケーブルが接続されていて、シルク印刷から、5V,3.3V,GND,SCL_3.3V,SDA_3.3Vとなっていました。これに間違いなさそうです。
 次にMEU-WX2のカバーを外してみました。SCL,SDAというシルク印刷がないか探してみると見つかりました。MEU-WX2の基板構成は大まかに4枚で2枚にSCL,SDAのシルク印刷がありました。  このうちのどこかでSCL,SDAの結線を切断して“小さなモニターボード”のSCL,SDAを結線し、5V,GNDを結線すればいいのかな?
 モニターは故障していないので実際には実験していませんので確証はありませんが、なんとなく書かれていることが理解できました。
 もし仮にこれを実行するとしたら、“小さなモニターボード”とファン、温度センサーもMEU-WX2内部に移植できるかもしれません。というのも、ファンが追加で取り付け可能になっているからです。
 もちろんこの基板だけで温度センサーとファンが機能するとしたらですが。
 実験してみたい気持ちはあるのですが、壊れていないものを壊してしまうリスクがあるので踏ん切りがつきません。

 もう少し分かる範囲で深掘りしてみました。そもそも“小さなモニターボード”の役割は何なのかです。
 24PINの面実装されているICは、品番EMC6D102-CZCです。調べてみるとファンコントローラーICでした。ファンはNidecのDF310RF05L1C-01です。もう一つは温度センサーだろうと思われます。
 つまり、この“小さなモニターボード”の役割は冷却ファンの制御基板だと思われます。何故この制御基板をMEU-WX2に内蔵すればロックが解除されるのか謎です。
 SCL,SDAというシリアル通信と冷却ファン制御がわたしの中でしっくりときません。
 EMC6D102-CZCのPDFを見たら、1番PIN、2番PINがSCL,SDAでした! 
 ということは、ファンを制御する基板とのシリアル通信で使う、SCL,SDAを符丁として利用しているということになりますね。面白いなあ。
 これがEDIDエミュレーターが上手く機能しないということの理由のようなきがしますねえ。
 以上が思考だけでSONYのMEU-WX2を汎用化した気分になれるネタでした。それでは!

 ※追記1
 MEU-WX2の基板構成は、マルチ入力部からみて、左、中、右下、右上の4枚構成で、素人が適当に名前を付けると、中が電源トランス部、右下がマルチフォーマットコンバーター部、左が電源入力・ファンコントローラー部、右上がパワーマネジメント部とします。
 補足として、マルチフォーマットコンバータ部にDVI-D出力端子があります。中の電源トランス部はそのままの意味で、今回は関係なさそうなので無視します。
 電源入力・ファンコントローラー部にはMEU-WX2本体を冷却するファンコントローラー(EMC6D102-CZC)が実装されており、8PINコネクター(5V,3.3V,3.3V,GND,GND,SDA,SCL,GND,AC/DC)からパワーマネジメント部に繋がっています。
 マルチフォーマットコンバータ部から関係がありそうな14PIN(NC,GND,SDA,SCL,GND,GND,3.3V,3.3V,GND,GND,GND,-5V,D5V,A5V)がやはりパワーマネジメント部に繋がっています。
 パワーマネジメント部としたのは30PIN面実装IC(PS5120)が付いていたからです。  このことから、MEU-WX2とモニターのファンコントローラー(EMC6D102-CZC)はパワーマネジメント部の基板で制御されていることが推測されます。
 ということはモニターから“小さなモニターボード(冷却ファン制御基板)”を移設する場合にはマルチフォーマットコンバータ部の14PINのケーブルが有力候補となりそうです。
 ちょっとニッチすぎたかしら。

※追記2
DVI-D端子
6番PIN……DDC CLOCK SCL
7番PIN……DDC DATA  SDA

 SDA,SCLは、DVI-D出力端子→マルチフォーマットコンバータ部→14PIN→パワーマネジメント部という経路なので、マルチフォーマットコンバータ部でDSDA,SCL信号を何らかの処理や監視している可能性があるかもしれません。
 素人考えですが、14PINからDSDA,SCLを接続するより、DVI-D出力端子の6,7PINから接続した方がいいような気がします。