2022年7月30日土曜日

SONYのMEU-WX2を電子工作無しで汎用化した気分になれる話

 はい、こんにちはKOKEです。今回は別件でブログのネタを書いていたのですが、本題より脱線ネタの方が面白くなってしまったので、脱線ネタを独立したネタとして書き直してみました。
 実際のところ結論も結果も確認しておりませんので中途半端なネタとなりますことを事前にお断りしておきます。

 しばらく前に格安で、SONYのモニターLMD-152/SETを入手したのでこの変わり種のモニターについて書くことにします。
 正確な発売時期は不明ですが、製造は2005年でかなり古い機種となります。
 出力解像度がLMD-152の場合XGA1,024×768固定で画面比4:3なので、レトロゲーム用としては使えるかもしれない。という観点です。
 もちろん現在の最適解はOSSCと高性能液晶なのは重々承知しております。


 このモニターの最大の特徴がディスプレイ部と信号処理部を分離させたデザイン。パネルと信号処理ユニットを分離した「セパレートデザインコンセプト」です。
 信号処理ユニットというのがMEU-WX2で、パネルというのが、LMD-152、LMD-172W、LMD-212、LMD-232W、LMD-322W(おそらく)になるようです。
 この信号処理ユニットであるMEU-WX2というのがマルチフォーマットコンバータ―で、出力がDVI-Dとなるのです。DVI-Dはもちろんデジタルソースしか出力されませんので、HDMIと互換があるわけです。
 このMEU-WX2だけに着目すると、マルチフォーマット to HDMI(DVI-D)として使えそうに思えるわけです。これが5,000円以下で買えるならレトロゲーマーならちょっと気になりますよね。
 ですが、使用可能なパネル(モニター)はLMD-152、LMD-172W、LMD-212、LMD-232W、LMD-322Wに限定されます。
 これは「セパレートデザインコンセプト」ですからその他のモニターは使えませんということみたいです。そんな殺生なというのが正直な意見です。
 というのも、同時期に発売された小型モニターLMD-9050でのPS1のドラクエ7テストプレイでは映像が乱れまくるのに、LMD-152/SETでは、まったく乱れないんですもん。LMD-9050ではサンゴの洞窟も乱れまくっていましたが、LMD-152/SETでは何事もなく普通に映っているのですよ。
 ですからMEU-WX2を独立したマルチフォーマットコンバータ―として使えたらなあと思うわけですよ。
 なんとしてでも攻略したいというわけではありませんが、一応検索して同じような意見がないか調べてみました。
 海外のフォーラムで同じような意見の方たちを見つけました。URLは下記になります。  https://shmups.system11.org/viewtopic.php?f=6&t=53953

このスレッドの3ページの一番下でハンドルネーム:kiwaさんが書かれているのがどうやら攻略法みたいです。が、わたしには正直よく分からないです。

 自分が分かったつもりで要約すると、ディスプレイを分解して小さなモニターボードを取り外し、このボードにgnd、scl、sda、5vだけを接続すれば、その他のモニターで動作します。(小さなボードはMEU内に収まります)。

 ということらしいです。SDA:シリアルデータ ……データを送受信する。SCL:シリアルクロック……クロック信号。
 SADとSCLとはシリアル通信のことのようで、一般にI2Cと呼ばれているようです。
 小さなモニターボードとは? SADとSCLはDVI-Dのどの端子のこと? これらが理解できれば、それほど難しいことは無いように思えます。
 調べていたらSADとSCLは使っていないモニターもあるようですね。このあたりはあやふやなことしかわかりません。
 このようにI2C制御する方式をマスタースレイブ方式と呼ぶようです。当然マスターはMEU-WX2で、下僕はパネル(モニター)になるでしょね。
 ここからMEU-WX2だけを入手しても無駄なことが分かります。ディスプレイ内の“小さなモニターボード”が必要のようだからです。あとはEDIDエミュレーターはこれを攻略する上でおそらく役に立たないと思われます。このスレッドを読んでみてそのように感じました。
 なんかこれだけのヒントでチンプンカンプンなわたしってどうなのか……なんとなくハードSFに似ています。話の大筋は理解できるけれど、細部で何を説明されているか分からない的なね。
 気になる方はこのフォーラムで確認してみてください。


 とりあえず、わたしに分かるのか判断できませんでしたが、LMD-152(モニター)を分解してみることにしました。4本のネジを外すと簡単に裏側のカバーが外れました。
 次に金属ケースが亀の子2段になっていたので、11本のネジを外し上段の金属ケース開いてみました。3枚の基板構成になっていました。このうちの濃い緑色の縦横3×5cmほどの基板が、当該の“小さなモニターボード”のようです。
 この小さな基板にはコネクタが3つあり、一つは小型ファンに、二つ目が温度センサー(推測)に繋がっていました。三つ目の5端子コネクタに茶、赤、橙、黄、緑のケーブルが接続されていて、シルク印刷から、5V,3.3V,GND,SCL_3.3V,SDA_3.3Vとなっていました。これに間違いなさそうです。
 次にMEU-WX2のカバーを外してみました。SCL,SDAというシルク印刷がないか探してみると見つかりました。MEU-WX2の基板構成は大まかに4枚で2枚にSCL,SDAのシルク印刷がありました。  このうちのどこかでSCL,SDAの結線を切断して“小さなモニターボード”のSCL,SDAを結線し、5V,GNDを結線すればいいのかな?
 モニターは故障していないので実際には実験していませんので確証はありませんが、なんとなく書かれていることが理解できました。
 もし仮にこれを実行するとしたら、“小さなモニターボード”とファン、温度センサーもMEU-WX2内部に移植できるかもしれません。というのも、ファンが追加で取り付け可能になっているからです。
 もちろんこの基板だけで温度センサーとファンが機能するとしたらですが。
 実験してみたい気持ちはあるのですが、壊れていないものを壊してしまうリスクがあるので踏ん切りがつきません。

 もう少し分かる範囲で深掘りしてみました。そもそも“小さなモニターボード”の役割は何なのかです。
 24PINの面実装されているICは、品番EMC6D102-CZCです。調べてみるとファンコントローラーICでした。ファンはNidecのDF310RF05L1C-01です。もう一つは温度センサーだろうと思われます。
 つまり、この“小さなモニターボード”の役割は冷却ファンの制御基板だと思われます。何故この制御基板をMEU-WX2に内蔵すればロックが解除されるのか謎です。
 SCL,SDAというシリアル通信と冷却ファン制御がわたしの中でしっくりときません。
 EMC6D102-CZCのPDFを見たら、1番PIN、2番PINがSCL,SDAでした! 
 ということは、ファンを制御する基板とのシリアル通信で使う、SCL,SDAを符丁として利用しているということになりますね。面白いなあ。
 これがEDIDエミュレーターが上手く機能しないということの理由のようなきがしますねえ。
 以上が思考だけでSONYのMEU-WX2を汎用化した気分になれるネタでした。それでは!

 ※追記1
 MEU-WX2の基板構成は、マルチ入力部からみて、左、中、右下、右上の4枚構成で、素人が適当に名前を付けると、中が電源トランス部、右下がマルチフォーマットコンバーター部、左が電源入力・ファンコントローラー部、右上がパワーマネジメント部とします。
 補足として、マルチフォーマットコンバータ部にDVI-D出力端子があります。中の電源トランス部はそのままの意味で、今回は関係なさそうなので無視します。
 電源入力・ファンコントローラー部にはMEU-WX2本体を冷却するファンコントローラー(EMC6D102-CZC)が実装されており、8PINコネクター(5V,3.3V,3.3V,GND,GND,SDA,SCL,GND,AC/DC)からパワーマネジメント部に繋がっています。
 マルチフォーマットコンバータ部から関係がありそうな14PIN(NC,GND,SDA,SCL,GND,GND,3.3V,3.3V,GND,GND,GND,-5V,D5V,A5V)がやはりパワーマネジメント部に繋がっています。
 パワーマネジメント部としたのは30PIN面実装IC(PS5120)が付いていたからです。  このことから、MEU-WX2とモニターのファンコントローラー(EMC6D102-CZC)はパワーマネジメント部の基板で制御されていることが推測されます。
 ということはモニターから“小さなモニターボード(冷却ファン制御基板)”を移設する場合にはマルチフォーマットコンバータ部の14PINのケーブルが有力候補となりそうです。
 ちょっとニッチすぎたかしら。

※追記2
DVI-D端子
6番PIN……DDC CLOCK SCL
7番PIN……DDC DATA  SDA

 SDA,SCLは、DVI-D出力端子→マルチフォーマットコンバータ部→14PIN→パワーマネジメント部という経路なので、マルチフォーマットコンバータ部でDSDA,SCL信号を何らかの処理や監視している可能性があるかもしれません。
 素人考えですが、14PINからDSDA,SCLを接続するより、DVI-D出力端子の6,7PINから接続した方がいいような気がします。